
ブリュッセル:世界食糧計画職員は9日木曜日、イスラエルがパレスチナの飛び地に壊滅的な包囲を行ってから1か月となり、230万人のガザ住民全員が十分な食糧に欠乏し、栄養失調に瀕していると語った。
10月7日にハマスが南イスラエルを急襲し約1400人を殺害した事件の報復として、人口密度の高い飛び地であるガザへとイスラエルが爆撃を始めて以来、ガザへの人道援助は、わずかに滴り落ちるほどしか届いていない。国連職員によれば、ガザへと入る物資の量は、人々の需要を満たすには程遠いという。
国連食糧計画(WFP)のパク・キョンナン緊急事態部長は、「10月7日以前は、住民の33%が食糧不足の状態でした。現在は、100%が食糧不足に陥っていると断言できます」と語った。
彼女は、WFPが今後90日間のうちにガザの110万人に食糧を届けるには、1120万ドルが必要であると述べ、「彼らは栄養失調の危機に瀕しています」と語った。
彼女はまた、WFPが欠乏にあえぐ人々に物資を届けるには、資金だけでなく、定期的なガザへの入境と、入境後の安全なアクセスをも必要であると語った。
人道問題を司る国連の事務所によれば、人道支援物資を通すためにエジプトとガザ国境のラファ交差点が10月21日に再度開通して以降、ガザへと入境するトラックの1日あたり平均台数は、紛争以前と比べて19%未満となっている。
WFPのキュンナン氏は、「我々は現在、40台から50台のトラックを入境させています」と語る。「ガザの人々に意味のある人道的食糧を届けるためには、WFPの食糧支援だけでも、1日に100台のトラックが必要となります」
キュンナン氏は、ガザにいるWFP職員自身も十分に食べられていないと語った。人口密度の高いこの飛び地において、WFPは従前23軒のパン屋と協力していたが、燃料と供給の不足により、現在も営業を続けているのはそのうちわずか1軒であるという。
彼女は、「10日間も行列に並んで、手ぶらで帰ったという話も複数あります。かなり深刻な事態です」と語った。
ロイター