
カイロ: リビアの地中海沿岸で、ヨーロッパに渡ろうとしていた移民35人が、商業船により救助され、首都トリポリに送還されたと、国際移住機関が発表した。
国際移住機関(IMO)のツイッターによると、火曜に航海の途中に捕らえられた移民たちには、下船後すぐに医療的手当と支援物資が与えられたという。
「海上で人命を救うことは道徳であり法的な義務です。しかし、移民たちが安全ではない港に戻されたことは、受け入れ難いことです。」と、IMOは伝えた。
2011年、長い間国の指導者であったムアンマル・アル・カッザーフィーの政権が倒され、殺害された後、大混乱に陥ったリビアは、戦争や貧困から逃れるためにヨーロッパへ向かうアフリカやアラブの移民たちにとっての主要な経由地となっていた。
ほどんどの移民たちが、装備の整わない安全ではないゴムボートで、危険な旅をしている。 IMOによると、昨年10月時点で、2014年以降、約19,000人の移民が海路で溺死あるいは行方不明になっているという。
先週、91人を詰め込んだヨーロッパ行きの小型ゴムボートが、2月8日にリビアを発った後、ヨーロッパへと向かう途中の地中海の国際水域で行方が分からなくなっている。
ここ数年、EUは、沿岸警備隊や他のリビア軍と協力し、移民の流入をくい止めようとしている。権利団体によると、こうした活動により、移民たちが残忍な武装集団の慈悲に委ねられるか、あるいは十分な食料や水が不足する、不潔な拘留センターに閉じ込められることになったという。
EUが地中海で救助任務を怠っているという批判の中で、新たな取り組みが行われている。今月初め、加盟国は監視航空機のみで行う移民・密輸対策を終了し、代わりに、軍艦を配備し、リビアの激しい戦争を終わらせるための鍵と考えられる、広く軽視されている国連の武器禁輸措置の支援を徹底することに合意した。
AP