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ヒズボラ書記長、イスラエルによる武力行使を中止させるよう米国に警告

ヒズボラとイスラエル軍の国境を挟んでの緊張が高まる中、その国境線近傍でヒズボラの指導者であるハッサン・ナスララ書記長のテレビ演説を注視するイスラエル軍兵士。2023年11月11日。(AFP)
ヒズボラとイスラエル軍の国境を挟んでの緊張が高まる中、その国境線近傍でヒズボラの指導者であるハッサン・ナスララ書記長のテレビ演説を注視するイスラエル軍兵士。2023年11月11日。(AFP)
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12 Nov 2023 10:11:53 GMT9
12 Nov 2023 10:11:53 GMT9
  • ヒズボラのナスララ書記長は、アラブ、イスラム諸国に、ガザ地区における「戦争犯罪」に対する圧力を強めるよう要請した

ナジャ・フーサリ

ベイルート:ヒズボラの指導者であるハッサン・ナスララ書記長は、10月11日、イスラエル・ハマス間の戦争を終結させられる唯一の国家であるにも関わらずそれを為し得ていないと述べ、米国を非難した。

ヒズボラのナスララ書記長は、「イスラエルによるガザ地区での武力行使を終結させ得るのは、この武力行使を画策している米国だ」と述べた。

ナスララ書記長は、「米国が、地域戦争を回避し、自らの基地への攻撃を中止して欲しいのであれば、ガザ地区での武力行使を終結させるべきだ」と米政府を威嚇した。

「イラクやその他の国家の米軍基地を標的とした攻撃は、ガザ地区との連帯感から行われた」と、ナスララ書記長は述べた。

ナスララ書記長は、その軍事行動は、「イラクとシリアの残存する占領軍からの解放」という目的のためのものだったと主張した。

同書記長は、アラブ諸国、イスラム諸国に対して、統一的な姿勢を取るよう促し、また、米国に対してはガザ地区での武力行使とそれに伴う戦争犯罪を終結させるよう求めた。

ドロシー・シェイ駐レバノン米国大使について、ナスララ書記長は、「嘘つき、または無知」だとして非難した。

「米国側は、国外とレバノン国内のあらゆる経路を用いて我々を脅迫したが、それでもレバノン、イエメン、イラクでのレジスタンス活動は止むことがなかった」と、ナスララ書記長は語った。

最初の1週間前の演説に続いて、ナスララ書記長は10月11日に2度目の演説を行い、ガザ地区とレバノン南部で展開中の戦争について語った。

「この紛争を画策し、支援し、実現に結び付けているのは米政権だ」と、同書記長は述べた。

「我々の中東地域において政治的、軍事的影響力を有するすべての集団は、第1のそして最終的な意思決定者である米国を何よりも注視すべきである」

ナスララ書記長は、「10月7日以来空爆を受け続けている、包囲された、幅の狭いガザ地域でのイスラエル側の戦争犯罪と残虐行為」を非難した。

「ガザ地区で起きていることは、大規模で、危険で、例外的であり、越えてはならない一線すら不在の状態である」と、彼は語った。

「この武力行使において奇妙なのは、子供と女性が大きな割合を占める多数の殉教者に加えて、理由をこじつけた上での病院に対する公然としたあからさまな攻撃である」

「こうした殺戮やテロ、残虐行為のすべてが何らかの目的に向けてのものだと言うのであれば、イスラエルは状況を見誤っている」と、同書記長は付け加えた。

ナスララ書記長は、イスラエルの大目的は、「ガザ地区の人々に留まらず、パレスチナ人すべて、レバノン人、そしてこの中東地域の人々を屈服させ、正当な権利を要求する彼らの意思を粉砕し、彼らから信念と抵抗する力を奪うことである」と主張した。

イスラエル人たちの狙いは、パレスチナ人に「自らの土地、人質、宗教的な神聖さは忘却せよ」と命じることなのだとナスララ書記長は付け加えた。

ナスララ書記長は、「イスラエル人たちは、ガザ地区を破壊しつつある一方で、レバノン人たちにも『ガザ地区で起きていることを見よ。ガザ地区が抵抗し反乱を起こした結果がこれだ』と告げているのだ」と語った。

ヒズボラの指導者である同書記長は、「イスラエル人たちこそ諦めるべきなのであり、殉教者たちの遺志と子供たちが占領者たちと戦うより強い決意を持った新たな抵抗の世代を形成することをイスラエル人たちは思い知るべきだ」と確信していると語った。

ナスララ書記長は、国際世論が変化し、イスラエルの主張の虚偽が暴露されたことを称賛した。

レバノン南部の国交沿いでの衝突に言及したナスララ書記長は、「我々は初めて無人攻撃機と重量半トンのブルカン2Hミサイルを使用した。これはこの衝突においての新たな要素だ。敵に与えた損害の大きさは想像するしかない」と述べた。

イスラエル側の武装ドローンが常駐していようともヒズボラの活動は継続すると、ナスララ書記長は語った。

「この戦線は、イスラエルに圧力をかける戦線で有り続ける」と、同書記長は述べた。

ナスララ書記長の演説と同期するかのように、レバノン南部での戦闘は激化した。

UNIFIL のアンドレア・テネンティ広報官は、レバノン南部では戦争行為が徐々に激化しつつあるものの、状況は依然として制御下にあると述べた。

ヒズボラは、「ショメラ渓谷やタル・シャハール、バディッドに集結した占領軍を標的とした攻撃を行い、死傷者が出たことを確認した」と発表した。

イスラエル軍の砲撃は、アルハマメス山やオダイセ郊外、ハルタ高地、キヤム村郊外に及んだ。イスラエル軍は、また、ドローンを用いて、アイタ・アルシャーブ郊外を空爆した。

ヒズボラの同盟組織であるアマル運動は、ラブ・アルタラティーン村に設けた前哨基地がイスラエル軍の標的となり、構成員のアリ・ジャミル・アルハッジ・ダウド氏が殺害され、他に2人が負傷したと発表した。

イスラエル国防軍のアヴィチャイ・アドレー報道官は、イスラエル軍の戦闘機部隊がヒズボラのインフラに対して一連の攻撃を行ったと述べ、砲撃はレバノン国内の砲撃元を狙ったものだったと付け加えた。

ヒズボラは、マーガリオットとキリヤット・シュモナに設けられたイスラエルの前哨基地、そして、ジャバル・アルシェイクとメトゥラのレーダー基地を標的としている。

イスラエルのメディア報道によると、レバノン南部での衝突は、ドローンが領空侵犯した後に発生したという。

ヒズボラは、また、誘導ミサイルを用いて、ラミム前哨基地のイスラエル歩兵部隊を攻撃した。イスラエル軍側は、この攻撃に対して、国境沿いのレバノンの複数村落への砲撃により応戦した。

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