
アデレード:モロッコのサッカー選手であるイブティサム・ジェライディの名は、FIFA女子ワールドカップで得点した初のアラブ人女性として永遠に記録に残るだろう。
アトラス・ライオネス(モロッコ女子代表の愛称)は、アル・アハリのフォワード選手の活躍により韓国戦に1-0で勝利し、コロンビアとの決勝戦に向けてワールドカップでの望みをつないだ。
開幕戦でドイツに6-0と大敗したモロッコは、FIFA公式ランキングが55も上の相手に対して同じ運命をたどることがないよう、日曜にアデレードに到着した。
今年の女子ワールドカップで使用される中で一番小さなグラウンドとなるハインドマーシュ・スタジアムで、モロッコは集結した12,886人のファンの大多数から支持された。
南オーストラリア州都にあるハインドマーシュ・スタジアムでは、太陽が一瞬顔を出すものの、時おり雨がぱらつく冷たい冬の一日となった。ジェライディはハナネ・アイト・エル・ハジからの完璧なクロスを低い姿勢から一瞥し、韓国ゴールキーパーのキム・ジョンミが伸ばした腕を抜いてゴールを決め、試合開始から6分で格上のチーム相手に先制点をもたらした。
ベンチの控え選手全員がフィールドに飛び出し、ジェライディを取り囲んで純粋な喜びの瞬間を分かち合った。この時、モロッコチーム全員の顔が歓喜に輝いていた。
モロッコチームは先制点を守り抜き、女子ワールドカップでの初勝利を記録した。ピッチやスタンドにも熱狂的な祝福の嵐が起こった。
少数のモロッコメディアまでもがこの祝福に参加した。彼らは試合後のミックスゾーンで選手たちと抱き合い、ハイタッチしたりセルフィー撮影を行ったりした。
ジェライディは「私たちの努力が報われ、ただ本当に喜んでいます。これはモロッコとアラブ人のための勝利であり、我々の努力の賜物です」と語った。
この試合はまた、ヌハイラ・ベンジナ選手が今大会初出場を果たし、ヒジャブ着用選手が女子ワールドカップに出場した初の試合にもなった。女子サッカーの未来に重要な意味をもつ90分だった。
この試合で唯一の得点を挙げたジェライディは、ワールドカップで得点した初のサウジアラビア女子プレミアリーグ選手としても歴史に名を残した。
サウジアラビア代表チームが女子ワールドカップに出場できるのはまだ先のことだろう。しかし、ジェライディがアデレードで活躍したことにより、その前途は明るいものとなった。
ジェライディは、過去8回モロッコリーグで優勝しているチャンピオン常連チームのSFARに参加し、10年以上モロッコ国内でプレーした。その後、SWPLのデビューシーズンに向け、ジェッダを本拠地とするアル・アハリに加入した。
そして2022年のCAF女子チャンピオンズリーグ制覇では、ASFARの主役となった。でフェンディングチャンピオンであるマメロディ・サンダウンズ(南アフリカ)との決勝戦でハットトリックを決めるなど6ゴールを挙げ、大会得点王に輝いたのだ。
そんな彼女がアル・アハリでめざましい活躍を見せたのは当然のことだ。14試合のシーズン半ばに2年契約で加入したにもかかわらず、シーズン終了までに17得点を挙げ、ゴールデンブーツ賞(最多得点を挙げた選手に贈られる賞)ではショカン・サリヒに次いでランキング2位となった。
ジェライディは、12月に降格したサーマを9-1で破った試合で6ゴール決めたのを皮切りに、4試合で11ゴール、うち3試合ではハットトリックを達成してシーズンを終えた。
モロッコが数年以内に国内や地域全体での強力な足場を固めようとする中、ジェライディが女子ワールドカップ得点者としてSWPLの看板選手の一人になることは間違いないだろう。