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エルサレムでの暴力行為は占領の根本的な不当性を露呈させる

2022年4月17日、エルサレム旧市街聖地でパレスチナの若者を追うイスラエル国境警備隊。(アフマド・ガラビリ / AFP)
2022年4月17日、エルサレム旧市街聖地でパレスチナの若者を追うイスラエル国境警備隊。(アフマド・ガラビリ / AFP)
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19 Apr 2022 12:04:35 GMT9
バリア・アラマディン
19 Apr 2022 12:04:35 GMT9

衝撃的な残虐行為でもって、イスラエルは再びエルサレムを炎上させることに成功した。エルサレムが3つの世界的宗教の祭典の中心となる時期に、アル・アクサモスク周辺にて挑発的で強引な取り締まりを行ったのだ。

150人以上のパレスチナ人が負傷し、不釣り合いなほど一方的な犠牲者が出た。復活祭とユダヤ教の過越祭と重なる、ムスリムにとって1年で最も神聖な月の礼拝日に、そもそもほぼ存在しなかった脅威を、イスラエルはこうして大げさに演出したのだ。イスラエル軍は、死傷者を運ぶ救急車の到着さえも妨害した。虚弱で高齢の参拝者たちは、イスラム教で3番目に神聖な場所で祈る権利を行使したがために暴行を受け、逮捕された。

礼拝者への襲撃は、単にパレスチナにおける地域的な問題ではなく、イスラム教徒、キリスト教徒、されには文明世界の怒りを買う出来事であり、同時に、平和的に信仰を実践し、非ユダヤ人の隣人と友好的に共存しようとするユダヤ人にも不都合な出来事である。

シオニストの過激派は、エルサレムで動物の生け贄を捧げる儀式を行い、緊張をさらに高めている。この挑発的な行動は、イスラム教徒に対する「直接攻撃」であると広く指摘されている。過激派の入植者たちは、以前は近づくことが許されなかったこの場所への立ち入りを積極的に増やそうと、数カ月試間にわたり活動してきた。

エルサレムの他の場所でも、入植者たちはその存在感を乱暴なやり方で示している。パレスチナ人地区、特にシルワンのような激しい争いが起きている地域で、家屋に押し入り強奪を続けている。地区全体がアラブのアイデンティティを奪われ、パレスチナ人が自分たちの首都で蹂躙され、存在を否定される中、不正、窃盗、人種隔離、国家テロを合法化するためにイスラエルの裁判制度は時間外労働を行っている。

ネゲヴ・サミットでは、関係正常化はパレスチナにとって良いことだという主張がなされたが、その直後にこのような事態になったことで、一部のアラブの指導者は非常に恥ずかしい平手打ちを受けたようなものだ。また、「パレスチナとの和平の代わりに正常化を行うことで、アラブ諸国はパレスチナのことを奇跡的に忘れるだろう」というイスラエルのタカ派による嘘も暴かれた。今回の事件は、イスラエルが依然としてこれまでとまったく同じように振る舞っていることを、良心と共感力を持つすべての人々に思い起こさせるものだった。

イランとその同盟国は、すでにこれらの出来事を最大限に利用している。イラン外務省は、アラブ諸国が「裏切り者」の外交的働きかけによってイスラエルの「犯罪」への道を開いていると、敵意を剝き出して非難した。ダーイシュとアルカイダの広報担当者は、擦り減っていく資金を復活させるための皮肉な手段として、この問題に関し大規模な扇動活動を行うよう支持者に促している。

最近の世界的事件によって、占領が本質的に残忍で不当なものであり、罪のない一般市民にとって計り知れない犠牲を伴うものであるという認識が、多くのイスラエル人の間でさえも蘇りつつあるのだ。

バリア・アラマディン

パレスチナの傷は依然として塞がることはなく、明白な不正義と抑圧された雰囲気の中で傷口は化膿している。病める環境では、先週ハイファでイスラエル人男性を刺した15歳の少女のような、狂気に及ぶ病んだ人々が常に出てくる。子どもたちは、政治的暴力や宗教的憎悪と無縁で育つべきである。人種隔離と占領は、幼い少女でさえもそのような惨劇に巻き込んでしまうのだ。そして ベンヤミン・ネタニヤフ氏もナフタリ・ベネット氏も、そしてこのような行為があっても、すべてのパレスチナ人を裸の拷問と連座を受けるに値する「テロリスト」として非人間的に扱うことを認めることはできない。

ドナルド・トランプ氏は、エルサレム全域、ゴラン、ヨルダン川西岸地区の大部分、特にヨルダン渓谷に対するイスラエルの権利を主張するとされる措置によって、パレスチナ問題の輪郭を根本的に変えようとした。バイデン政権は、こうした国際法の明白な違反に反発するどころか、パレスチナを無視し、イスラエルの極右に主導権を委ねた。極右勢力は、歴史的にパレスチナのものであった土地全域への侵攻を続け、最終的にはパレスチナ人を海に突き落とすか、少なくとも国境を越えてヨルダンやエジプトに追いやることができると考えているのだ。

イスラエルの指導者の中には、報復的暴力を誘発する手段として、こうした軍事的行為の拡大を受け入れ、パレスチナの大義を失わせ、さらに土地を奪い、人種隔離を強化しようとする者もいる。

しかし、永久に戦争状態にあることを望まないイスラエル人にとって、これは行動と態度の根本的な転換が必要だという事実に対する警鐘であるはずだ。もし自分たちの長期的な安全を保証したいのであれば、そして世界の目から見たイスラエルの評判をこれ以上傷つけたくないのであれば。

このことは、パレスチナの大義に言及しようとする者に反ユダヤ主義の非難が浴びせられるにもかかわらず、イスラエルの国家的テロリズムを非難しようとする欧米の政治家が増えていることからも明らかである。

最近の世界的事件によって、占領が本質的に残忍で不当なものであり、罪のない一般市民に計り知れない犠牲を強いているという認識が、多くのイスラエル人の間でさえも蘇りつつある。

ロシアのウクライナ侵攻が失敗に終わることは誰の目にも明らかであり、おそらくプーチン政権の終わりの始まりである。同様に、イランによるアラブ諸国への侵攻は、イランのヒズボラ、ハッシュド、フーシの傀儡に対するアラブ諸国からの憎悪を強めるだけであり、最終的には彼らを撲滅することでしか終わらないだろう。

75年経ってもパレスチナ人は、変わらず正当な大義と、彼らの土地に対する権利のために戦う意志を失ってはいない。このことは、175年後でも1075年後でも変わらないだろう。

良心的で、教養があり、先見の明のあるイスラエル人は、パレスチナの土地の不法占拠とパレスチナ人の権利の無期限かつ不当な抑圧が、必然的にイスラエル人自身を腐敗させ、信用を失墜させることに気づいているのである。歴史的にパレスチナのものであった土地全てを奪おうとする限り、彼らは最終的にすべてを失うリスクを冒すことになるのだ。

  • バリア・アラマディン氏は、中東と英国で受賞歴のあるジャーナリスト・放送作家。 Media Services Syndicateの編集者であり、数多くの国家元首にインタビューしてきた。
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