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国連機関の報告書、イランがウラン貯蔵量をさらに増やしたと報告

2023年2月6日にオーストリアのウィーンで開かれた国際原子力機関(IAEA)理事会の会合の際に、IAEA本部前ではためく同機関の旗。(AP写真)
2023年2月6日にオーストリアのウィーンで開かれた国際原子力機関(IAEA)理事会の会合の際に、IAEA本部前ではためく同機関の旗。(AP写真)
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16 Nov 2023 05:11:15 GMT9
16 Nov 2023 05:11:15 GMT9
  • IAEAの事務局長は、イラン政府は製造を決断すれば「いくつかの」核爆弾を作れるだけの濃縮ウランを保有していると警告
  • イランは長年にわたって、核兵器を求めたことはないとしており、自国の核計画は完全に平和目的のものだと主張している

ウィーン:AP通信が15日に入手した国連の核監視機関の報告によると、イランは兵器級近くまで濃縮したウランの貯蔵量をさらに増やした。

国際原子力機関(IAEA)によると、イランは、同国の核計画を監視するよう指名された査察官の一部の追放に対して同機関が異議を唱えたことにも反発している。

加盟国に配布された機密の四半期報告書の中で国際原子力機関は、同機関の査定によると10月28日時点でイランは推定128.3キロ(282.9ポンド)の60%まで濃縮したウランを保有しており、9月の報告書から6.7キロ増えている。

濃縮度60%のウランから、あとほんの少しの技術的段階を踏めば兵器級の水準である90%に到達する。

IAEAの報告書はまた、10月28日時点でイランの濃縮ウランの総貯蔵量は4,486.8キロだと推定しており、2023年9月に提出された直近の四半期報告書から691.3キロ増えた。

イランが核兵器を開発できないようにするため、世界の列強国は2015年にイラン政府と取り決めを結び、この中でイラン政府は、経済制裁の解除と引き換えにウランの濃縮を原子力に必要なレベルまでに制限することに合意した。国連の査察官が計画の監視の任務を負った。

2018年に、当時大統領だったドナルド・トランプ氏が一方的に米国の合意からの離脱を表明し、より強力な協定をまとめると述べたが、これは実現しなかった。イランは1年後に各規定を破り始めた。その中に、イランに純度3.67%までのウランの濃縮と、ウランの貯蔵量300キロの維持を認めた条項も含まれていた。

米国のジョー・バイデン大統領は、イランとの核合意に再加入したいと述べているが、合意の再建に向けたロードマップを模索するための正式な会談は、2022年8月に物別れに終わった。

イランは長年にわたって、核兵器を求めたことはないとしており、自国の核計画は完全に平和目的のものだと主張している。しかし、IAEAの事務局長は、イラン政府は製造を決断すれば「いくつかの」核爆弾を作れるだけの濃縮ウランを保有していると警告している。

加盟国に配布された2つめの機密報告書の中でIAEAは、イラン政府が核施設となり得ると表明していなかった2か所(IAEAによるとVaraminとTurquzabad)で発見された人工ウラン粒子の出所と現在の所在についてイランに説明を求める同機関の要請に関して、何の進展もなかったとしている。

報告書はまた、2022年にイランが撤去したカメラなどの追加の監視装置の再設置について、これまでのところなんの進展もないとも述べている。イランは、この問題に関する米国、英国、フランス、ドイツからの批判を受けて、IAEAの最も熟練した査察官数名を自国の核計画の監視活動から追放した。

IAEAのラファエル・グロッシー事務局長は、譲歩するようイランを説得しようとしてきた。

しかし、最新の報告書によると、イランの民用核計画の責任者であるモハンマド・エスラミ氏は、IAEAが15日に受け取った書簡の中で、「IAEAの査察官の指定解除は我が国の権利内のことだ」と改めて主張し、監視機関IAEAの査察の遂行を妨げることの潜在的リスクの「主張」は「説得力がなく、法的根拠に欠ける」とした。

しかし、エスラミ氏は加えて、査察官の追放の再考を求める「要請に対応する可能性を探って」いるとも述べた。

IAEAは、エスラミ氏が「定期的に厳しい政治行動を見せた」と述べたとされる欧州の3か国からの査察官を除外するイランの決定を、「極端かつ不当」だと見なしていると述べた。

この最新のIAEAの報告書は、中東の緊張が激化する中で提出された。

AP

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