
マナーマ: バーレーンのサルマン・ビン・ハマド・アール・ハリーファ皇太子は17日、ハマスとイスラエル間の「人質の交換」を呼びかけ、両者の戦闘を一時的に中断することが、ガザ地区での紛争の終結へとつながる可能性があるとの見方を示した。
また、同皇太子は、2国家解決案なくして安全保障は実現せず、その達成には米国が「不可欠」だとも述べた。
サルマン皇太子は、「今こそ、率直に話し合う時だ」と述べた上で、ハマスに対し、ガザで人質となっているイスラエル側の女性や子どもたちを解放することを求め、それと引き換えにイスラエルは、非戦闘員とされるパレスチナ人の女性や子どもたちを刑務所から解放するよう求めた。
「これの意図するところは、人々が現状を把握し、死者を埋葬し、弔い、そしておそらく、そもそもこの危機を招いた諜報活動の失敗について人々が自問できる時間を持てるようにすることである」と同皇太子は述べている。
カタールは240人以上の人質解放のため、ハマスとイスラエル当局との間の仲介を主導してきている。
バーレーンは2020年、イランに対する共通の懸念を背景に、アメリカの仲介によるアブラハム合意に基づいてイスラエルとの国交を正常化している。バーレーンは米国の重要な安全保障のパートナーであり、米海軍第5艦隊が駐留している。
サルマン皇太子は、ガザが「耐え難い」状況になっているとし、10月7日のハマスの攻撃と、それに対抗するイスラエルの「空爆作戦」の両方を非難し、「今も、そしてこれからも」続くパレスチナ人の強制退避や、イスラエルによるガザ地区の再占領、ガザ地区からイスラエルに向けた軍事的脅威などは、この紛争において超えてはいけない一線であると述べた。
また、サルマン皇太子はIISSマナーマ・ダイアログでの演説で、戦争終結後に「公正かつ永続的な平和」へと通じるパレスチナ人による選挙も提唱しており、パレスチナ人国家の樹立は、イスラエルの安全保障と安定にもつながることになるだろうとの見方を示し、
「この紛争は現在も続いており、過去80年間大きな傷口は開いたままとなっている」と、述べた。
ガザ地区の保健当局が、イスラエルによる沿岸部への攻撃で12,000人以上のパレスチナ人が死亡したとする一方で、イスラエル当局は、10月7日に1,200人が死亡し、200人以上のイスラエル人と外国人が人質に取られたと発表している。
人質の交換は、ガザ地区のパレスチナ人に医薬品、医療機器用の燃料、食料などの人道支援物資を提供するために必要な戦闘中断を達成する唯一の方法である、とサルマン皇太子は述べている。
ロイター