
エルサレム: 10月7日、ガザへ拉致された人質の親族数百人が、消息不明の大切な家族の写真を握りしめて、18日、イスラエル政府からの応答を求めてエルサレムまでデモ行進した。
疲労とストレスが顔に色濃く浮かぶ人質家族らのデモ行進に、数千人の支持者が加わった。このデモ行進は14日、沿岸の都市テルアビブから出発し、人質解放に向けた行動をとるよう訴えた。
6週間前に武装組織ハマスがガザから急襲し、約240人が人質(イスラエル当局による)として拉致されてから、人質の家族や友人が断固とした決意の下、人質解放を目指した運動を展開してきた。
「今すぐ家族を返して!」デモ行進の参加者はこう叫びながら、その多くが拉致された人質の顔のプラカードを掲げて、イスラエル政府の本拠地エルサレムに入った。
そのプラカードのひとつには、「お母さん、みんな待ってるよ。帰ってきて」と記されていた。
青と白のイスラエル国旗をまとった大勢の人が、ベンヤミン・ネタニヤフ首相官邸を目指してまっすぐ歩んだ。
このデモ行進は、父親が殺害され、母親が他の家族6人とともにガザに拉致されたユヴァル・ハランさんによって企画された。
イスラエル軍は今週初め、爆撃されたパレスチナ領土内で人質2人の遺体を発見したことを正式に認めた。
「これ以上、人質を失うなんてありえない」と、ハランさんはデモ行進の参加者に話していた。
ハマスによる攻撃直後に「人質・消息不明家族フォーラム」を速やかに設立した親族らは、情報提供ができていないイスラエル政府を一貫して非難し、人質解放の取り組みは国の軍事作戦の絶対的な最優先事項であるべきと主張している。
デモ行進の参加者はネタニヤフ首相官邸に近づくと、少し立ち止まり、数百という黄色いヘリウム風船を空に放った。目に涙を浮かべた多くの支持者が、その空を見つめた。
「イスラエル政府は家族が私たちのもとに帰れるよう動いてほしい」。義理の弟と12歳の甥がガザで人質になっている思われるドヴォラ・コーエンさん(43)は語る。
「世界は私たちを助けてほしい。赤十字にはその任務を果たしてほしい。ガザ地区の中へ入り、人質が無事かどうか、必要としているものは何か、医療を受けているかどうか確認してほしい」と、AFPに話してくれた。
イスラエル外交のトップであるエリ・コーエン氏が今週明らかにしたところによると、現時点で赤十字は人質の誰とも面会できていない。人質の家族も、人質解放のための交渉について、イスラエル政府から一切知らせがないという。
「私たちは返事がほしいのです」とアリ・レヴィさん(68歳)。レヴィさんは、ガザ国境近くのキブツ、ニル・オズから、いとこのオハドさん(49歳)とオハドさんの息子エイタンさん(12歳)の家族2人をパレスチナ武装組織によって拉致された。
AFP