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イスラエル、ガザのシファ病院地下のハマスの隠れ家とされる場所を公開

ガザのパレスチナ人イスラム主義組織ハマスに対するイスラエル軍による地上作戦が続く中、ガザ市のシファ病院の地下にあるトンネルを確保するイスラエル軍兵士。(ロイター)
ガザのパレスチナ人イスラム主義組織ハマスに対するイスラエル軍による地上作戦が続く中、ガザ市のシファ病院の地下にあるトンネルを確保するイスラエル軍兵士。(ロイター)
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23 Nov 2023 07:11:03 GMT9
23 Nov 2023 07:11:03 GMT9
  • トンネルの先にある居住区は、使用されていないようだった
  • イスラエルは司令部とされる場所をまだ公開していないが、同軍はこの地下の隠れ家をこれまでで最も重要な発見であるとしている

ガザ市:イスラエル軍は11月22日、ガザ最大の病院の地下にあるハマスの軍事施設とされる場所を公開し、包囲された飛び地内部の貴重な一端を垣間見るため、外国人記者団に地下の宿舎らしきものを公開した。

数十人の兵士が記者団を案内し、同軍によれば150mに及ぶ狭い石造りのトンネルを抜け、粉々になったガザ市にあるシファ病院地下の一連の地下壕に向かった。

トンネルの突き当たりにある居住区には、エアコン、キッチン、バスルームが備わり、錆びた白いタイル張りの部屋には金属製の簡易ベッド1組があった。それらは使われていないようだった。

イスラエルは、10月7日にハマスに宣戦布告して以来、イスラム過激派組織がガザの病院を軍事利用の隠れ蓑にしていると繰り返し非難してきた。ハマスが病院の広大な敷地の下に司令部や地下壕を隠しているとして、イスラエルはシファ病院に特別な注意を払ってきた。

イスラエルはこの司令部とされるものをまだ公開していないが、同軍は地下の隠れ家をこれまでで最も重要な発見と位置づけている。ハマスと病院側はイスラエルの非難を否定している。

「シファ病院はガザで最も大きな病院であり、ハマスの最も巨大なテロ施設でもある」と近くで爆撃音が鳴り響く中、イスラエル軍首席報道官ダニエル・ハガリ少将は述べた。「ハマスの大隊指揮官が指揮統制を行い、ここからロケット弾を発射していた」

AP通信は、ハガリ少将の主張を独自に検証することはできなかった。

AP通信は、記者団による4時間の取材中、イスラエル軍の護衛が同行すること、掲載前に軍の検閲官にすべての資料を提出することを条件に、ガザへの立ち入りを許可された。現在、外国人記者がガザにアクセスする方法は他にない。

この戦争は、10月7日のハマスの国境を越えた攻撃によって引き起こされ、約1200人が死亡、240人が人質となった。イスラエルの激しい空爆作戦と壊滅的な地上侵攻により、近隣地域全体が破壊され、ハマスが支配する同地区の保健当局によれば、この戦闘で11,000人以上のパレスチナ人が死亡したという。

ガザのハマス支配者の打倒に執念を燃やしているイスラエルは、民間人を人間の盾として使い、人口密集地からロケット弾を発射する過激派と戦うためには、多大な民間人の犠牲は避けられないものだと説明している。イスラエルによれば、少なくとも何人かの人質はシファ病院に連行されたという。

イスラエル軍兵士は22日、シファ病院で見つけたというAK-47アサルトライフル数十丁、手榴弾20個、ドローン数機を含む武器を外国人記者団に公開した。ハガリ少将は、この武器はほんの一部であると述べた。

イスラエル軍はこの1ヶ月間、ガザ北部を急襲し、ハマスのトンネル網やその他の標的を爆撃するために破壊を続けてきた。ハマスの戦闘員は、イスラエル軍を待ち伏せるために地下ネットワークを利用してきた。同軍によれば、記者団に公開したトンネルのほかに、シファ病院近郊で別の2本のトンネルを発見したという。

イスラエル軍によって厳重に管理されていたとはいえ、記者団はガザの様子を垣間見ることができた。病院の門の外からは、少なくとも数十人の疲れ果てたパレスチナ人が、明らかに避難のために荷物をまとめているのが見えた。

包囲された病院内には、数百人の患者と医師が取り残されたままだ。中庭に避難していた数千人以上は先週、イスラエル軍の戦車が接近し戦闘が激化したため、南部へと避難した。

ある瞬間、シファ病院の窓から身を乗り出していた数人のパレスチナ人と記者団の目が合った。一人の男性は親指を立てた。他の者たちは叫び始めた。イスラエル兵は記者団を追い払った。

廃墟となったガザ市の通りに残っていたのは倒壊した建物で、通りには瓦礫が散らばっていた。

ある廃墟のファサードは吹き飛ばされ、家具が置かれたリビングルームや、どうにか無傷のままキャビネットに収められたガラス製品、壁に取り付けられたままの鏡が見えた。武装化されたブルドーザーが砂や砂利をかき分け、戦車が通る道を切り開いていた。

約20人のイスラエル兵が道路脇に座っていた。彼らは笑顔で記者のカメラに向かってポーズをとった。

「士気は高いです。皆やるべきことをやる準備ができています。皆、国のために戦う覚悟ができています」とロサンゼルス出身だというイスラエル軍兵士、オレン軍曹は言う。「つらいときでも、友だちと一緒に座って、軽い冗談を言い合ったりします。一日の終わりには、自分がなぜここにいるのかがわかるのです」

かつてカフェやコーヒーショップで賑わっていた同市の海岸沿いの遊歩道はなくなっていた。代わりに瓦礫が散らばり、ライフガード小屋がひとつ建っていた。直近の爆撃で、空には黒い噴煙が上がっていた。遠くでは銃声が響いていた。

壊滅的な状況の中、パレスチナ人の避難民がバッグや荷物を抱えて列をなしているのが見えた。イスラエル軍に護衛された記者団が通りかかると、彼らはIDカードを装甲兵員輸送車にかざした。白い旗を振る者もいた。

AP

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