
東京:イスラエル軍の元諜報関係者は、ガザ地区からハマスを排除するイスラエルの作戦は5ヶ月程度を要し、軍事作戦に関しては何年も続くだろうとの見通しを示した。
元イスラエル軍参謀本部諜報局長のアモス・ヤドリン氏は日本経済新聞とのインタビューで、米国がイラクのイスラム国(IS)を弱体化させるのに5年を要したことを指摘した。
ヤドリン氏は、「人質の救出と軍事作戦を両立させるのは困難だ」と述べた。同氏はガザのアル・シファ病院地下にハマスの拠点があるのは明らかだが、巻き添えの可能性もあることを認め、被害を最小限に抑えるよう求める米国など同盟国に不満を示した。
ヤドリン氏は日経に対し、当初は「交渉の余地が全くなかったが、時間が経過するにつれて進む」として、イスラエル側の軟化や、軍事的に追い詰められたハマスが要求の水準を下げる可能性に言及、女性や子供が解放される希望はあると述べた。
元諜報局長は、ハマスによる攻撃を防げなかったことに失望感を表すとともに、世界をリードするサイバー技術を持つイスラエルはシグナル・インテリジェンス(シギント)に依存しすぎており、人を使った情報収集も欠かせないとした。
ヤドリン氏は40年以上にわたり国防軍に所属。イスラエル政府に国家安全保障について助言するコンサルティング会社MINDイスラエル代表。