
パリ: ノルウェーを拠点とする人権団体、ヘンガウとイラン・ヒューマン・ライツ(IHR)は25日、イラン政府は殺人罪で死刑判決を受けていた17歳のハミドレザ・アザリさんを24日、ラザヴィー・ホラーサーン州東部の町サブゼバールの刑務所で処刑したと、それぞれ別の声明で発表し、未成年時に犯した犯罪で人々に絞首刑を宣告し続けているイランに対し、怒りを顕わにした。
衛星テレビ局のイラン・インターナショナルも今回の死刑執行をとり上げ、アザリさんは一人っ子で、若年にもかかわらず、すでに数年前からスクラップ労働者として働き始めていたと報じた。
ヘンガウとIHRの両人権団体が閲覧した文書によると、アザリさんの年齢は、犯行時16歳、処刑時は17歳であった。彼は5月に乱闘で人を殺した罪で死刑を宣告されていた。
両人権団体は、今回の死刑執行は18歳未満を児童と定めている国連児童の権利に関する条約にイランが再び違反したことを示すものであると非難している。
IHRのマフムード・アミリー・モグハダム所長は、同団体のデータによれば、2010年以降、イランでは少なくとも68人の未成年者が処刑されているとした上で、「イランは、児童犯罪者に死刑を宣告する数少ない国の一つであり、他のどの国よりも多くの少年たちを処刑している。イランでは、運転免許を取得するためには18歳以上でなければならないが、死刑になるには15歳で十分なのだ」と、述べた。
IHRによれば、イランの最新の刑法では、少年の刑事責任年齢は15歳であると明確に定められているという。
また同団体は、イランのメディアは、ハミドレザ・Aという人物の処刑を報じたものの、年齢を18歳と偽っており、「国際法違反に対する説明責任から逃れるための意図的な試み 」であるとも指摘している。
イランは23日、2022年9月から何ヶ月にもわたって続いた全国的な抗議活動に関連した事件で8人目となる20代前半の男性の絞首刑も執行した。
この抗議デモは、22歳のクルド系イラン人、マフサ・アミニさんがイランの厳格な女性の服装規定に違反した疑いでテヘラン市内で逮捕された後、拘束中に死亡したことに端を発したものであった。
活動家たちによれば、イランはこの抗議デモをきっかけに国民を威嚇しようと、近年例を見ないほど次々と死刑を執行しているとのことである。
IHRによれば、イランでは今年、主に麻薬関連や殺人罪で少なくとも684人が処刑されている。
AFP