ジェッダ:フランシスコ教皇は3日に、ガザ地区の一時休戦が破られたことへの悲しみを表明した上で、紛争の関係者らに出来るだけ早く新たな停戦合意を結ぶよう呼びかけた。
戦闘休止終了後のガザにおける市民の死者数の増加に対する国際的な懸念が深まる中で、この教皇からの要請があった。
包囲されたガザ地区内の市民が、狭くなっていく南部の地域に避難する中、イスラエル軍は3日にガザ地区の広範囲を爆撃し、数十人のパレスチナ人を死傷させた。
側近が読み上げ、サン・ピエトロ広場の巨大スクリーンで放映された私邸からのコメントの中で教皇は、「ガザには非常に多くの苦しみがある」と述べた。
フランシスコ教皇は、停戦の終了は「死、破壊、苦難」につながると語り、包囲されたパレスチナ領土のガザには基本的な物資さえないということを強調した。
教皇は、イスラエルと占領下のパレスチナ領土の状況は「深刻」だと述べた。
「多くの人質は解放されたが、あまりに多くの人々がいまだガザにいる」と、教皇は語った。
パレスチナ保健省によると、包囲されたパレスチナ領土のガザでは、8週間以上にわたる戦闘と激しい爆撃により15,500人以上が死亡した。
イスラエルの空爆と砲撃が、ガザの北のイスラエルとの境界エリアを襲い、煙と粉塵の分厚い雲が空に広がった。
イスラエル軍は、3日にガザからイスラエルに向けて17回のロケット発射があったと報告し、その大部分を撃墜したと述べた。
国連の人道機関であるOCHAは、2日にガザ北部への2つの攻撃で少なくとも160人のパレスチナ人の死亡が報告されたと発表した。ひとつはジャバリア難民キャンプの6階建ての建物の爆撃、もうひとつはガザ市の1街区全体の爆撃だ。
OCHAは、ガザの人口のおよそ75%にあたる約180万人が避難を強いられており、多くの人々は過密で不衛生な避難所に逃げていると述べた。
パレスチナ難民のための国連機関の広報責任者であるジュリエット・トウマ氏は、約958,000人の避難民がガザ地区南部にある99の国連施設で過ごしていると述べた。
国連の人権責任者であるボルカー・ターク氏は、戦争の終結を要請し、市民の苦難は「耐え難いもの」だと述べた。
米国が市民の保護を求める呼びかけを強める中、ガザにおける新たな一時停戦への希望は薄れつつあった。
「あまりに多くの罪なきパレスチナ人が命を落とした」と、カマラ・ハリス副大統領はドバイで行われた国連の気候変動会議で述べた。
ハリス氏とヨルダンのアブドッラー国王は、COP28の際にガザの難局について話し合った。国王は、2国家解決に基づく和平に到達するため、パレスチナ問題の政治的展望を模索するにあたって、米国が主導的役割を果たすことの必要性を強調した。
イスラエルは、軍の攻撃対象がガザの南半分に移行する中、ハーン・ユーニスとその周辺でさらなる避難を命じた。
ガザ地区のパレスチナ人らは、封鎖された地区内で逃げる場所がなくなってきていると述べた。
ガザの住人らは、南部地域でのイスラエルによる地上戦が迫っていることを恐れていると述べた。
ハーン・ユーニスとガザ中部のデル・アルバラの間の道路を戦車が寸断し、事実上ガザ地区を3つに分断していると、彼らは語った。
イスラエル北部のレバノン国境においても、戦闘が激化している。
イスラエル軍は、国境をまたいだ攻撃に対抗するため砲撃を行ったと発表した。