ベイルート:イスラエル軍と武装組織ヒズボラは2日、イスラエルとレバノンとの国境で交戦し、敵対行為の2日目を迎えた。
イスラエル軍の空爆は国境付近の複数の町を襲い、イスラエル軍は「レバノン南部からの攻撃に対する報復を行なった」と発表した。
ナジーブ・ミカティ暫定首相は、イスラエルによるレバノンへの攻撃は、レバノン国民に影響を与えるだけでなく、環境破壊も引き起こしていると述べた。
現在ドバイで開催中のCOP28に出席しているミカティ首相は、「レバノンの広い地域が深刻な影響を受けており、現在進行中のイスラエルの敵対行為によって環境悪化が引き起こされている」と述べた。
同首相は、イスラエルの違反行為には、民間人を殺害し、500万平方メートル以上の森林、農地、数千本のオリーブの木に回復不可能な損害を与えた白リン弾などの禁止兵器の使用が含まれ、これらはすべて、生計と収入源の破壊、数万人のレバノン人の避難につながると語った。
ミカティ首相は同サミットでアイルランドのレオ・バラッカー首相と会談し、国連レバノン暫定駐留軍へのアイルランドの積極的な貢献を称賛した。
ミカティ首相はまた、COP28の傍らで、フランスのエマニュエル・マクロン大統領と、ガザとレバノン南部の状況について話し合った。フランスのジャン=イヴ・ル・ドリアン特使のベイルート訪問の成果についても検討された。
地元メディアによると、ル・ドリアン特使はベイルート訪問中、イスラエルの要請により国連決議1701を修正し、ヒズボラが国境から少なくとも15km後退しなければならないようにする可能性について議論したという。
ル・ドリアン特使と面会したWaddah Sadek議員は、アラブニュースに対し、特使は「この問題には取り組まず、イスラエルが自国の利益のために決議を修正するよう要請していることを踏まえ、我々は現行の決議とその履行に取り組むことを表明した」と述べた。
さらに同議員は、ル・ドリアン特使は「我々の立場についてはコメントしておらず、発言は決議1701の履行経過に関する議論の一環として行われたものだ」と付け加えた。
ヒズボラ執行評議会のナビル・カウク副議長は、同党は「レバノンの主権を犠牲にしたイスラエルのいかなる利益も、イスラエルの新たな方程式も許さない。なぜなら、レバノン国民には、レバノンの領土全域での存在と移動の権利があるからだ」と述べた。
同副議長は、ヒズボラは「これまでも、現在も、そしてこれからもガザの人々の最大の支援者であり続ける」と主張した。
ヒズボラを代表して、カウク副議長は「ヒズボラが国境にいるために入植地に戻ることを恐れている入植者を安心させるために、国境に緩衝地帯を設けるよう決議1701の修正を要求することで、国の内外でイスラエルの要求と目標を推進している人々がいる」とも述べた。
カウク副議長の発言は、イスラエル軍が2日にナークラ(Naqoura)の東に位置するワディ・ハムール(Wadi Hamoul)とアル・ラボウネ(Al-Labouneh)に照明弾を発射したことを受けてのものである。
イスラエル軍の空爆はまた、アイタ・アル・シャアブ(Aita al-Shaab)とラミヤー(Ramiya)のいくつかの渓谷を標的にした。
ヒズボラは過去50日間、キルベット・マール(Khirbet Maar)、クファール・シュバ高地(Kfar Shuba Heights)のルワイサット・アル・アラム(Ruwaisat Al-Alam)、ブラニット兵営の第91師団司令部、アル・ラヘブ軍事施設とその駐屯地など、以前から標的とされていたイスラエルの軍事拠点を攻撃したと繰り返し宣言している。
2日、ヒズボラは、ガザ地区での停戦終了後の1日にイスラエルとの国境での戦闘で殺害された3人のメンバー(Khader Salim Abboud、Mohammed Hussein Mazraani、Wajih Shehada Mishik)の葬儀を行った。10月8日のレバノン南部戦線開戦から12月2日までの間に、88人のヒズボラのメンバーが殺害されたと伝えられている。
民間人のナシファ・マズラアニ(Nassifa Mazraani)さんと、その息子は1日、フラの町へのイスラエル軍の砲弾により、自宅で死亡した。マズラアニさんは、火傷を負った2006年7月の戦争を生き延び、2000年にイスラエル軍がレバノン南部から撤退する前にはイスラエル軍に拘束されていた。マズラアニさんは囚人交換協定で解放された一人である。
イスラエルのメディアは、イスラエル軍がレバノン南部に近い北部国境地帯の住民に対し、安全評価に基づき避難中となっている町への往来を控えるよう求めたと報じた。
同軍は個人に対し、入植地内での移動を制限し、保護地域内にとどまるよう勧告した。イスラエル当局はまた、同地域での農業活動を禁止した。