
パリ:拘留中に死亡したクルド系イラン人女性、マフサ・アミニ氏の遺族は、アミニ氏が死後に受賞した、人権に関する最高賞を受け取るためにフランスに渡航することを禁じられていると遺族の弁護士が9日に語った。
アミニ氏は2022年9月16日、イスラム教の共和国家であるイランの、女性に対する厳格な服装規定に違反した疑いで同国の道徳警察に拘束されたまま、22歳で死亡した。
遺族や支援者は、アミニ氏が殺害されたとしている。イラン当局は、彼女が生前に公表していなかった疾患が原因で拘束中に死亡したと主張している。
10月、欧州連合(EU)はアミニ氏と、彼女の死がきっかけとなった世界的な運動に対し、人権に関する最高の栄誉であるサハロフ賞を授与した。
9日、フランスを拠点とする遺族の弁護士、シリン・アルダカニ氏はAFP通信に対し、アミニ氏の両親と弟が「サハロフ賞の授賞式のためにフランスに向かうはずだった飛行機に乗ることを禁止された」と語った。
アルダカニ氏によると、家族は有効なビザがあるにもかかわらずイランからの出国を禁止され、さらにパスポートを没収されたという。
また同弁護士は、イラン当局が「犠牲者の家族が国際社会で話すことを阻止するために、これほど動員されたことはない」と語った。
マフサ・アミニ氏の死はイランで大規模な抗議行動に発展した。
「女性、生命、自由」として知られる世界的な運動を引き起こし、人々はイランがすべての女性にスカーフの着用を強制することをやめさせ、イスラム聖職者主導の中央政府を終わらせることを求めた。
イラン治安部隊は国内での抗議活動を取り締まり、数百人を殺害し、当局が「暴動」と呼ぶものに参加したとされる数十人を処刑した。
「女性、生命、自由」のキャンペーンは世界中の都市で続けられており、アミニ氏の写真が高く掲げられたデモが頻繁に行われている。
5万ユーロの賞金も含まれるサハロフ賞は、12月13日に欧州議会での授与式で遺族に贈られる予定だった。
AFP