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サウジの政府機関が、20億米ドルを超える石油化学の新投資契約を発表

少なくとも80人が、リヤドで開催されたサウジ投資の集会に出席した。(SPA)
少なくとも80人が、リヤドで開催されたサウジ投資の集会に出席した。(SPA)
少なくとも80人が、リヤドで開催されたサウジ投資の集会に出席した。(SPA)
少なくとも80人が、リヤドで開催されたサウジ投資の集会に出席した。(SPA)
少なくとも80人が、リヤドで開催されたサウジ投資の集会に出席した。(SPA)
少なくとも80人が、リヤドで開催されたサウジ投資の集会に出席した。(SPA)
22 Nov 2019 05:11:11 GMT9
  • 「私たちは、このような業界の巨人をサウジアラビアに迎えられたことをとてもうれしく思っています」

ラシード・ハッサン

リヤド:サウジアラビア総合投資院(SAGIA)は21日、20億米ドル(75億リヤル)を超える多額の新石油化学投資を発表した。

同国と世界の13以上の政府および民間組織の代表、少なくとも80人が、リヤドで開催されたサウジ投資の集会に出席し、合意に署名した。

SAGIAが企画したこの集会で署名された合意の覚書(MoUs)には、サウジ当局と、サウジアラビアでの機会を評価しようと考えるドイツの化学メーカーBASFとの合意がある。

SAGIAとポリアクリルアミド製造の世界トップ企業であるSNFは、東部州のジュバイルに年間5万トンを製造可能なポリアクリルアミド工場を設立し、80の新しい職を創出することを検討することで合意した。

サウジの政府機関と日本企業である三井物産との間でも覚書が交わされた。これは、ジュバイルにおけるアンモニア商業生産プロジェクトの立ち上げを目的とするものだ。高効率で環境負荷が小さい製造プロセスを採用し、年間100万トンの生産を見込む。

さらにSAGIAと三井物産は、特殊化学製品の下流部門での商機をともに模索することで合意した。

4つめの覚書は、SAGIAと世界的なエネルギー、石油グループのシェルとの間で交わされた。最先端の残渣油アップグレード用触媒の製造施設をジュバイル工業都市に建設することについての評価を行う。これには規制当局の承認が必要だ。

AMGとシェルは、サウジアラビアおよびその周辺地域にある精製施設で精製された使用済み残渣油アップグレード用触媒をリサイクルすることによって有価金属を再利用するための施設建設の実現可能性を評価するという合意を締結した。ここで提案された施設では、使用済み残渣油アップグレード用触媒管理において環境面の責任を果たす必要性に対処しつつ、同国の自然資源から最大限の利益を得られるようにする。

この集会でSAGIAのイブラヒム・アル・オマール総裁は「我が国は経済の大きな転換を経験しています。石油化学部門は、世界の投資家が胸を躍らせる機会を提供します。民間部門による業界転換の知識と経験を活用することを期待しています」と語った。

オマール総裁はこのようにも語る。「この集会と交わされた覚書は、我が国が機会を増やし、世界のパートナーシップを活用することで、この戦略的部門の成長の原動力とすることに集中的に取り組んでいることを示すものです」

「私たちは、我が国の石油化学部門の未来を作っているところですが、このような業界の巨人をサウジアラビアに迎えられたことをとてもうれしく思っています」

SNFのパスカル・レミーCEOは、「当社は世界戦略の一つとして、ジュバイル工業都市への進出の可能性を調査しています。先日のイネオス(多国籍化学メーカー)の発表によれば、中期ではこの戦略的地域では、アクリロニトリルなどポリアクリルアミド合成の重要な原材料の製造場拠点になるとのことで、当社もサウジアラビアにおけるシェールガスの成長市場に近づきます」と話す。

三井物産の安永竜夫社長は「三井物産は、炭素隔離貯留などの高効率で環境負荷が小さい製造技術とコンセプトを使用したジュバイルでのアンモニア製造プロジェクトの実現を目指しています」と話す。

シェル・カタリスツ・アンド・テクノロジーズのアンディ・ゴス社長は、「SAGIAとAMGとの合意は、サウジアラビアの存在感の高まりと、触媒技術に関する当社の幅広い専門知識を活用した世界レベルのエンドツーエンドソリューションをとおして地域のクライアントに奉仕することに当社が興味を持っていることを示すものです」と話す。

ゴス社長は、世界の燃料に関する新規制と、原油から化学製品を製造するトレンドが強まっていることを受け、精製所は使用済み触媒についての持続可能な廃棄物管理計画策定が求められていると指摘する。

ゴス社長は「私たちはサウジ国内の関係者、世界の関係者と強い関係を構築していく意義ある機会を持とうと考えています」とも語った。

AMGのハインツ・シンメルブッシュ社長は語る。「私たちは、サウジアラビアで精製所の廃棄物を扱う最先端のリサイクル技術を提供できることをうれしく思っています。このリサイクルプロセスでは、使用済み触媒からバナジウムなどの金属を取り出すことができ、高強度の鋼鉄の国内生産するためのフェロバナジウム合金を提供します」

最近交わされた複数の合意の背景には、サウジアラビアの今年の対内投資が好調であることがある。

SAGIAのサウジ投資の2019年秋の投資ハイライトレポートによると、今年の第三四半期には250を超える海外企業が投資ライセンスを付与されており、これは2018年の同時期と比較して30%増加している。

合計809の外国企業が新しく同国で事業を開始し、そのうち67%は純粋な外国資本による投資であった。SAGIAが発行した外交投資ライセンスの数は、2010年以降で最高となった。

広範囲に及ぶ一連の経済改革の実施と並行して投資を呼び込むことで、サウジアラビアの外国からの投資は急速に成長した。

世界経済フォーラムが出版した2019年の「世界競争力報告」によると、サウジアラビアは経済の多角化に取り組んだ結果、3つ順位を上げて36位となった。

今月発表された「ビジネス環境の現状2020」では、同国は30個順位を上げて62位となり、世界でもっとも経済を好転させた国となった。

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