
ベイルート:イスラエル軍は10日、レバノン南部の標的エリアを拡大した。
イスラエル軍の空爆は、レバノン南部の森林や、イスラエル軍がヒズボラの活動拠点だと主張する地域を火の海に変え、建物や住宅を破壊し、アイタロンの住宅街をなぎ倒し、国連レバノン暫定軍(UNIFIL)が使用していた監視塔も標的にした。
イスラエル軍はまた、レバノン軍が駐留するエリアへの攻撃を繰り返した。
10日のイスラエル軍の攻撃と空爆は、10月8日以来レバノン南部で実施された最も激しいものだった。
ヒズボラは、レバノンとの国境から2キロメートル離れたイスラエル軍のヤラ基地を攻撃し、その後「直撃弾が命中した」と発表した。
イランに支援された同グループの声明によると、シェバア農場近くのクファール・シュバ丘陵にあるジブディンとルワイサット・アル・アラムの拠点も「ブルカン」ミサイルで攻撃したという。
また、「ザブディンとラムサの間にあるイスラエルの敵兵の駐留地」を標的にしたと述べている。
ヒズボラは「アル・アバド基地でイスラエル敵兵士のバリケードを破壊し、そこで死傷者を確認した」と発表し、その後「ホニン(Honin)城に駐留する兵士たち」を標的にしたという。
さらに、バルカト・リーシャ遺跡をブルカン・ミサイルで爆撃したと付け加えた。
ハマスの軍事組織であるイズ・アルディン・アル・カッサム旅団は、「リマンとキルベット・マールのイスラエル軍施設をロケット弾で空爆した」と発表した。
一方、イスラエル軍は10日の朝、レバノンとの国境付近で「2つの不審な空中標的」を撃墜したと発表した。
UNIFILのアンドレア・テネンティ報道官は次のように述べた。 「レバノン南部のUNIFIL活動地域のエベル・アル=カム地区付近の監視塔が爆撃を受け、塔の構造に損傷を受けた。幸い、負傷者は出ていない」
「UNIFILの拠点を標的にし、また、我々の拠点に隣接する地域を利用してブルーラインを越えて攻撃を仕掛けることは容認できない。民間人や国連職員に対する攻撃は国際法違反だ」
イスラエル軍は、戦闘機が「インフラ、ロケットランチャー、軍事拠点など、レバノンのヒズボラの標的に対して」大規模な空襲を実施したと発表した。また、「ザリット近郊のイスラエルの拠点に向けて対装甲砲弾を発射しようとした武装集団」を攻撃したとも述べている。
地元メディアの報道によると、国境の町アイタロウンでは、近隣全体が破壊され、4人が負傷し「多くの家屋が損傷、または完全に破壊された」という。
UNIFILの報道官は次のように述べた。「ブルーライン沿いで2カ月以上にわたって活発な空爆が行われた結果、判断ミスが広範な紛争につながる可能性が高まっている」
「外交ルートを通じて安定を回復することは、ブルーライン付近に住むすべての市民と平和維持要員の安全を確保するための、優先事項である」
「UNIFILの優先事項は、エスカレーションの防止、民間人の生命の保護、平和維持要員の安全と治安の確保に、引き続き焦点が当てられている」