
ドーハ:ヨルダンのアイマン・アル・サファディ外相は10日、イスラエルが戦争を通じてパレスチナ人をガザ地区から追い出す政策を実施しているとし、これは「ジェノサイドの法的定義」に合致すると述べた。
ヨルダン川西岸地区と国境を接し、1948年のイスラエル建国後に多くのパレスチナ人を受け入れたヨルダンの同外相はまた、イスラエルがこの地域を苦しめ、未来の世代を定義付けるような憎悪を作り出したと語った。
「我々がガザで目にしているのは、(イスラエルによる)罪のない人々の殺害や生活の破壊だけでなく、ガザからその住民を追い出そうとする組織的な努力なのです」と、サファディ外相はドーハでの会議で述べた。
「我々はまだ、到達すべき場所に世界が達する情景を目にしていません……それはつまり、ジェノサイドの法的定義にも含まれるこの戦争を終結させるという明白な要求です」
また同外相は、イスラエルはハマスを殲滅するという目標を公言したものの、ガザ地区の民間人における壊滅の程度は無差別的といえるもので、その目標が偽りであることが示されていると主張した。
サファディ外相はさらに、8日にワシントンで行われたアラブ諸国の閣僚代表団とアントニー・ブリンケン米国務長官との会談では、米政権によるイスラエルへの軍事支援や停戦要請の拒否をめぐって大きな意見の相違が表面化したと語った。
ハマスは、囚人を解放するという同組織の要求が満たされない限り、人質が生きてガザ地区から出ることもないと警告している。
ハマスは10日、イスラエルがガザ地区の南部最大の都市ハーン・ユーニスと、エジプトとの国境に近いラファとを結ぶ道路を標的に「非常に暴力的な襲撃」を仕掛けてきたと発表した。
ハマスのアブ・オベイダ報道官はテレビ放送で、「ファシストの敵も、その傲慢な指導者も、あるいはその支持者も、囚人交換と交渉、またレジスタンス運動に関する要求を満たすことなしに、捕虜を生還させることはできない」と述べた。
イスラエルによれば、ガザ地区にはまだ137人の人質が拘束されている。一方イスラエルの刑務所には、約7000人のパレスチナ人が拘留されていると活動家らは伝える。ハマスの高官バセム・ネイムは11月下旬、「我々の囚人全員と引き換えに、こちらも捕虜の兵士全員を釈放する用意がある」と伝えた。
10日、ハマスとイスラム聖戦に近い情報筋はAFP通信に対し、ハーン・ユーニス近郊やジャバリア、ガザ市北部のシェジャイヤ地区において両組織とイスラエル軍との間で「激しい衝突」が起きていると語った。ハーン・ユーニスの件については、AFP通信の記者も同地で激しい攻撃が行われたと報告している。
イスラエルのベンヤミン・ネタニヤフ首相は、同国がハマスを「排除するための公正な戦争」を継続すると述べ、同軍のハルジ・ハレヴィ参謀総長は、攻勢を「さらに強める」よう自軍に促した。
イスラエル軍は10日、直近24時間の間にガザ地区南部の「ハマスの軍事通信拠点」や「地下トンネル坑道」、シェジャイヤのハマス軍事司令部など、250以上の標的を攻撃したと発表した。
テルアビブでは数百人のイスラエル人が人質のために集会を開き、「今すぐ彼らを連れ戻せ」や「彼らは地獄から救い出してくれると我々を信じている」などと書かれたプラカードを掲げた。
ロイター