
エルサレム:イスラエルは11日、救援物資をラファ検問所からガザ地区へ配送する前に、追加する2か所の検問所で検査を行うことを発表。今後はより多くの人道支援物資がガザ地区に搬入されることになると述べた。
各国の支援団体は、エジプトのラファ検問所しか通過することができず、イスラエルの爆撃を受けて絶望的な状況になっているガザの人々へ物資を届けるのに苦労してきた。
イスラエルは11日の発表で、直接的な検問所を新たに設置するわけではないと強調したが、ニツァーナとケレム・シャロームの検問所を利用して、トラックがラファを通過する前に検査を実施すると語った。
「この措置は、ラファ検問所を通じてガザに搬入される支援物資のセキュリティ検査を増やすために行うものであり、ガザに入る人道支援物資の量を倍増させることができるようになる」と、イスラエル軍はXへの投稿でコメントした。
国連人道問題調整事務所(OCHA)は10日、戦闘休止前には1日平均500台のトラックが、エジプトからガザに人道支援物資を輸送していたのに対し、1週間にわたる戦闘休止が終わった12月1日以降は、1日当たり約100台となっていることを明らかにした。
パレスチナ人問題を担当する国防省傘下のCOGATとイスラエル軍の共同声明によれば、追加される検問所では「水、食料、医療品、避難所設備などを積んだトラック」を検査するという。
また、「物資がイスラエルからガザ地区に入ることは一切なく」、エジプトを経由することになると強調した。
国連総会は12日、緊急特別会合を開いて人道危機について議論する。先週は、米国が停戦を求める安全保障理事会決議で拒否権を行使していた。
戦闘により過去最大の被害が発生しているガザでは、11日も激しい市街戦が繰り広げられ、これまでに18,200人以上のパレスチナ人と104人のイスラエル兵が死亡したと報告されている。
イスラエルのガザ攻撃は、ガザを実効支配するハマスが10月7日にイスラエル南部を奇襲攻撃したことから始まった。イスラエル当局は、この事件で1,200人が死亡し、その多くは民間人だったとしている。
AFP