
カイロ:アフリカ北東部の国、スーダンの壊滅的な紛争で避難を余儀なくされた家族たちの安全な避難所となっていた州でスーダン軍と悪名高い準軍事組織との間で戦闘が勃発、最大30万人が家を追われたと、国連が21日に伝えた。
戦闘が発生したのは、ジャジーラ州の州都ワド・メダニ市だ。今月初めに同市への攻撃を開始した即応支援部隊(RSF)は、今週に入り、同市を占領したと発表した。スーダン軍の部隊は同市から撤退し、調査を開始したと発表した。
スーダンの戦争は、スーダン軍司令官、アブドゥルファッターフ・ブルハン将軍とRSF司令官、モハメド・ハムダン・ダガロ将軍との間の数カ月にわたる緊張状態を経て、4月中旬に始まった。両将軍は2021年10月に軍事クーデターを主導、2019年4月にオマル・アル・バシール元大統領を罷免させた民衆蜂起に続く、スーダンの民主化移行を短期間で頓挫させた。
国連機関の国際移住機関(IOM)によると、25万人から30万人が同州から逃れ、アルカダリフ、センナール、白ナイル各州の安全な地域に徒歩で避難したという。
一部は避難民キャンプに避難し、多くは地元のコミュニティーに避難先を求めるという。
スーダンの穀倉地帯であるジャジーラ州には、約600万人のスーダン人が住んでいた。国際連合人道問題調整事務所(OCHA)によると、戦争以来、約50万人の避難民がこの州に逃れており、そのほとんどが戦闘の中心地である首都ハルツームからであったという。OCHAによると、ハルツームの南東約100キロに位置するワド・メダニ市は、8万6000人以上の避難民を受け入れていたという。
国連世界食糧計画(WFP)は20日、ジャジーラ州の一部で食糧支援を一時的に停止したと発表し、これを同州における人道支援の「大きな後退」だと表現した。
WFPは、ハルツームでの戦闘から逃れてきた多くの家族を含む、同州の80万人に援助を提供してきたと述べた。
スーダンの紛争は国を荒廃させておち、国連によると10月の時点で最大9000人が死亡しているという。しかし、活動家や医師団によれば、実際の犠牲者ははるかに多いという。
国連のデータによれば、近隣諸国に避難先と求めた150万人以上を含め、700万人以上が家を追われている。
ワド・メダニ市での戦闘により、赤十字国際委員会を含む多くの援助団体は、同国における人道活動の中心地であった同市からのスタッフの撤退を余儀なくされた。
RSFの占領を受け、ワド・メダニ氏の住民の間に、首都ハルツームやダルフール西部地域と同様、自分たちの街でも残虐行為が行われるのではないかという不安が広がった。国連や人権団体は、2000年代初頭に大量虐殺が行われたダルフールでの残虐行為について、RSFを非難している。
RSFは、ダルフール紛争で広範な殺害、レイプ、その他の残虐行為で告発された「ジャンジャウィード」として知られる、国家が支援していたアラブ民兵組織から発展した。
3児の父であるアフメド・タグ・エル=シールさんは、RSFがワド・メダニ市の北にある村、アル=シャルファ・バラカルを襲撃した後、家族とともに隣のアル・カダリフ州に逃れた。
「彼らはダルフールでしたように、村を砲撃し、住民の家を占拠した」、彼は避難先の親族の家で語った。他にも2家族がこの家に避難している。「私たちは、ジャンジャウィードに殺されたり、女性が暴行を受けたりすることを恐れて逃げてきた」
AP