
エルサレム:10月7日にハマスの戦闘員によって拘束されたと思われていた米国籍を持つイスラエル人男性が、攻撃当日に殺害されていたと、この男性のキブツ(農業共同体)が22日に発表した。
パレスチナ人戦闘員らはガド・ハッガイ氏(73)の遺体を、イスラエル南部の同氏の属するニルオズ・キブツからガザ地区に運び去ったと、このキブツが声明で述べた。同氏の妻は生きたまま連れ去られたと考えられている。
イスラエル軍は、AFPの取材に対し、ハッガイ氏は10月7日に死亡したと認めた。
イスラエルとハマスの全面戦争のきっかけとなった苛烈な攻撃の際に、ガザの戦闘員が連れ去った約250人のイスラエル人および外国人の中で、直近に死亡が確認されたのが同氏となった。
「ガドは10月7日にキブツにおいて殺害された。遺体はテロリストによりガザ地区に持ち去られ、いまだにそこに留め置かれている」と、ニルオズの声明は述べている。
声明では、ハッガイ氏の死亡がどのようにして確認されたかは明らかにされなかった。
人質・行方不明者家族フォーラムも、22日に詳細に触れることなく同氏の死亡を発表した。
殺害されたハッガイ氏の妻である70歳のジュディス・ウェインステイン・ハッガイ氏は、まだガザで拘束されている人質の中で最年長の女性だと見られる。
米国のジョー・バイデン大統領は声明の中で、「米国人のガド・ハッガイ氏が、今では10月7日にハマスによって殺害されたと考えられているという知らせを受け、打ちひしがれている」と述べた。
「我々は、同氏の妻であるジュディ氏の健康と安全な帰還を祈り続ける」
イスラエルの家族フォーラムは、ガド・ハッガイ氏は「根っからの音楽家」で、軍のオーケストラで演奏するフルート奏者だったと述べた。
ニルオズ・キブツによると、同氏には4人の子どもと7人の孫がいる。
拉致される直前に同氏の妻が最後の電話の中で救急隊員に、2人とも負傷していると伝えたと、息子であるアフル・ハッガイ氏が今月AFPに語っていた。
アフル氏はこの時、「私たちが手にしている唯一の証拠は...トラックの後部に乗って、怪我をして横たわっている父の映像です」と述べていた。
10月7日にハマスの戦闘員がガザの境界を越えてなだれ込み、イスラエル南部の各コミュニティを攻撃し、公式発表の数字に基づくAFPの集計によると、民間人を主とする約1,140人が殺害された。
イスラエル当局は、この不敵な攻撃の際に捕らわれた人質のうち129人がまだガザに残っているという。
イスラエルはガザへの猛烈な攻撃で応戦し、ハマスが統治するガザ地区の保健省によると、この攻撃により女性と子どもを主とする少なくとも20,057人が死亡した。
先月の停戦期間中に105人の人質が解放された。このうちの80人のイスラエル人は、イスラエルの監獄に収監されていた240人のパレスチナ人と交換で解放された。
AFP