
ガザ地区、ラファ:イスラエルによるハマス殲滅戦争で2万人以上のパレスチナ人が死亡したと、ガザの保健当局は22日に発表した。イスラエルは攻勢を拡大し、数万人の住民に避難を勧告している。
ガザの死者数は、戦前のガザ人口のほぼ1%に達した。これは、11週間にわたるこの紛争の驚異的な人的被害を示す、最新の指標となった。
イスラエルによる空爆と地上攻撃は、近年の歴史において最も破壊的な軍事作戦のひとつであり、ガザの住民230万人の85%近くを避難させ、この沿岸の小さな飛び地の広範囲を破壊し尽くしている。国連やその他の機関が21日に発表した報告によれば、ガザでは人口の4分の1に当たる50万人以上が飢餓状態にあるという。
イスラエルは、10月7日にハマスの過激派が境界を越えて襲撃し、約1200人を殺害、約240人の人質を取ったことを受け、宣戦布告を行った。イスラエルは、ハマスを殲滅し、ガザの権力から排除し、すべての人質が解放されるまで戦い続けることを宣言している。
国連安全保障理事会は、複数回にわたる延期の末、22日に、絶望的な状況に直面しているガザ市民への援助物資の配送を直ちに加速させることを求める、緩和された決議案を採択した。
米国は、イスラエルとハマスの間の「敵対行為の緊急停止」を求める厳しい要求を決議案から削除する決定を勝ち取ったが、ロシアは投票を棄権した。人道的一時停止と完全停戦を求める内容で提出された先の2つの決議案に米国が拒否権を発動したため、同決議案は、この戦争に関して初めて理事会を通過したものとなる。
イスラエルはハマスへの圧力維持を誓う
米国はまた、ガザに入る援助物資を検査する権限を国連に与えるという文言を削除するよう交渉した。これは物資がハマスに渡らないようにするために必要だとする、イスラエル側の主張に沿ったものだ。
イスラエルのギラド・エルダン国連大使は、米国の支援に感謝するとともに、国連が10月7日のハマスの攻撃を非難しなかったことを厳しく批判した。米国は10月、イスラエルの自衛権を明確に示していないとして、ハマスへの非難を含む決議案に拒否権を発動した。
ハマス側は声明で、国連決議はイスラエルの攻撃の即時停止を要求すべきだったと述べ、22日の安保理採決の前に「決議の本質を空洞化する」ことを推し進めた米国を非難した。
一方、国連のアントニオ・グテーレス事務総長は、人道的停戦を求める以前からの呼びかけを繰り返した。
グテーレス氏は、ハマスによる10月7日の攻撃、人質の拘束、イスラエルに対するロケット発射、そして彼が言うところの、人間の盾としての民間人の利用を正当化するものは何もないと述べた。
「しかし同時に、これらの国際人道法違反は、パレスチナ人に対する集団処罰を正当化する理由には決してならない。また、イスラエルが国際法上の法的義務から解放される理由にもなりえない」と事務総長は言った。
米国の庇護の下、イスラエルは攻撃の規模の縮小を求める国際的な圧力に抵抗している。軍は、ガザ南部では数カ月にわたる戦闘予想されると述べている。同地域には、ガザの人口230万人の大多数が住んでおり、その多くは戦争初期、北部での戦闘から逃れるよう勧告を受けた人々である。
軍はガザ第二の都市であるハーン・ユーニスに焦点を当てており、避難勧告によって、避難民は南部のさらに狭い地域に押し込められている。
軍は21日遅く、地上やトンネル内のハマス過激派を標的にするため、ハーン・ユーニスに戦闘工兵を含む地上部隊を増派すると発表した。
22日には、ガザ中心部の都市難民キャンプであるブレジおよび周辺地域の数万人の住民に自宅からの退去を命じ、地上攻撃が次に行われる可能性を示唆した。
病院で遺体を確認したAPのジャーナリストによると、エジプトとの国境にあるラファの都市では、家屋に対する空爆で6人が死亡した。死者の中には夫婦とその4カ月の子どもがいたと、乳児の祖父アンワール・ダイアー氏が語った。
ラファは、ガザで避難命令が出ていない数少ない場所のひとつだが、ほぼ毎日イスラエル軍による空爆の標的になっている。
北部では空爆と地上作戦が続いており、イスラエルはハマス戦闘員の掃討の最終段階にあると述べている。
パレスチナ人の農場労働者であるムスタファ・アブ・タハ氏は、空爆による大規模な破壊のため、被害の大きかったガザ市のシジャイヤ地区の多くが立ち入りできなくなっていると語った。
「彼らは動くものすべてを攻撃している」と、彼はイスラエル軍について語った。
死者の増加と飢餓
ガザ保健省は22日、戦闘による死者2万57人、負傷者5万人以上を記録したと発表した。同省は、死者数において戦闘員と民間人を区別していない。同省は以前、死者のおよそ3分の2が女性または未成年であると発表している。
イスラエルは、ハマスが密集した住宅地を軍事目的に利用したり、都市部の地下にトンネルを掘ったりしていることを理由に、多数の民間人の死者数はハマスの責任だと非難している。
イスラエル軍は地上攻撃で139人の兵士が死亡したと述べている。また、過去3週間で約2000人を含む数千人のハマス過激派を殺害したと主張しているが、その主張を裏付ける証拠は示していない。
戦争期間の大部分で、イスラエルはエジプトからの援助物資のトラック輸送を除き、食料、水、燃料、その他の物資のガザへの搬入を停止した。援助物資のトラックは、ガザのニーズのわずか一部をカバーしているに過ぎない。
ガザに入る援助が不十分なため、飢餓の程度は近年のアフガニスタンやイエメンでの飢饉に匹敵し、飢饉の危険性は日に日に高まっていると、21日に発表された国連報告書は述べている。
イスラエル軍の連絡将校は、ガザに食糧不足はないと述べ、十分な援助が提供されていると述べた。
「ガザ地区の備蓄は当面問題ない」と貨物輸送用のケレム・シャローム検問所でモシェ・テトロ大佐は述べたが、詳細は語らなかった。
援助物資の流れを増やすという国際社会の要求を受けたイスラエルは数日前、ケレム・シャローム検問所を開放している。
しかし、軍は21日、同検問所のパレスチナ側を攻撃し、4人のスタッフが死亡、国連はそこで援助の受け取りができなくなったと述べた。国連が22日にそこで作業を再開したかどうかはすぐには分からなかった。イスラエル軍は、標的は戦闘員だと述べている。
イスラエルとハマスの戦争はまた、ガザの医療部門を崩壊に追い込んだ。
世界保健機関(WHO)によると、ガザにある36の医療施設のうち、まだ部分的に機能しているのは9つだけで、そのすべてが南部に位置しているという。
WHOは、ガザで病気の発生率が急増していると報告している。下痢の発生率は5倍に増加し、髄膜炎、皮膚の発疹、疥癬(かいせん)の症例も増加しているという。
AP