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ガザ中部で続くイスラエルの多数の死者を出す攻撃に、国連が危機感を募らせる

2023年12月23日土曜日、ガザ地区南部のハーン・ユーニスの街にあるナセル病院に到着する、イスラエルの空爆で負傷したパレスチナ人たち。(AP写真/モハメド・ダフマン)
2023年12月23日土曜日、ガザ地区南部のハーン・ユーニスの街にあるナセル病院に到着する、イスラエルの空爆で負傷したパレスチナ人たち。(AP写真/モハメド・ダフマン)
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28 Dec 2023 04:12:45 GMT9
28 Dec 2023 04:12:45 GMT9
  • 戦争は「何カ月も」続くと、イスラエル軍トップはいう

カイロ:イスラエルは26日にガザ中部に対する新たな空爆を開始し、国連は、飛び地のガザの一部地域において2日間に100人以上のパレスチナ人が死亡した攻撃の激化について警鐘を鳴らした。

攻撃はクリスマスの頃に、特にガザ地区を二分する季節的水路のすぐ南の中部地域で激化した。イスラエル軍は市民に、この地域から退去するよう伝えたが、多くの人々は向かうべき安全な場所が残っていないと述べた。

「イスラエル軍によるガザ中部への継続中の爆撃について、我々は深く憂慮している。この攻撃でクリスマス・イブ以降に100人以上のパレスチナ人が命を落とした」と、国連の人権事務所のセイフ・マガンゴ報道官が述べた。

「イスラエル軍は民間人を保護するためにあらゆる可能な方策を講じなくてはならない。警告と避難命令により国際人道法の下での全ての義務が免除されるわけではい」

11週間続く戦争に対し世界中から停戦要請があり、地域の別の場所では米国と、イランと連携する各勢力が攻撃し合う中で、紛争拡大への新たな懸念が高まっているにもかかわらず、イスラエルはハマスを壊滅させる決意を維持している。

パレスチナの保健当局によると、10月7日以降にイスラエルの攻撃によりガザで21,000人近くが死亡しており、この他に数千人が瓦礫の下に埋まったままになっている恐れがある。ガザ地区で暮らす230万人のほとんどが自宅からの避難を強いられており、多くの人は何度も避難を繰り返している。

イスラエルは、民間人を保護するためにできることをしているとして、民間人に紛れて活動することにより人々を危険にさらしているとハマスを非難したが、ハマスはこれを否定している。しかし、イスラエルの最も緊密な同盟国である米国でさえ、ジョー・バイデン大統領が「無差別爆撃」と呼んだ攻撃による民間人の死者を減らすため、イスラエルはより努力すべきだとしている。

「魔法の解決策はない」

イスラエルのハレヴィ参謀総長はガザ地区との境界でのテレビ放送された発言の中で、戦争は「何か月も」続くだろうと、記者団に述べた。

「魔法の解決策はなく、テロ組織の解体に近道はない。断固とした持続的な戦闘しかない」と、ハレヴィ氏は述べた。「1週間がかりでも、数か月かかったとしても、我々はハマスの指導部にもたどり着く」

12月の初めに停戦が崩壊してから、イスラエルは地上作戦をガザの北半分からガザ全域へと拡大した。

この数日、北部の戦闘は相変わらず激しいままで、現在数十万人の避難民がいる南部および中部地域も交戦地帯となっている。

ハーン・ユーニスにあるガザ地区南部で最大の医療施設であるナセル病院では、医療従事者が、イスラエルによる2つの空爆で10人のパレスチナ人が死亡したと述べた。

ハーン・ユーニスの住民であるサラー・シャートさんは、「その家には20人以上の避難民と住民がいて、子どもや女性がいました。私たちは子ども数人を何とか救助しましたが、その他の人々は亡くなりました」と語って、25日夕方の空爆による被害について伝えた。

米国政府はこの数週間、ガザの戦争の規模を縮小し、全面的な軍事攻撃からハマス指導者を襲撃するより的を絞った作戦に移行するよう、公然とイスラエルに要求している。イスラエルは、ハマスが完全に壊滅するまで戦闘をやめるつもりはないとしている。

ネタニヤフ氏はガザの部隊を訪問したあと、25日に国会議員との会合でこの点について力説した。
「我々は止まらない。戦争は最後まで続く。我々がやり遂げるまで」と、同氏は述べた。

26日、ネタニヤフ氏の顧問を務めるマーク・レゲブ氏がCNNに、2007年からガザを統治してきたハマスを壊滅させることは「イスラエル人とパレスチナ人の双方のより良い未来のための必須条件だ」と述べた。

「まずハマスを壊滅させなければ、非武装化された、過激派のいないガザにはならない。まずハマスを排除しなければ、ガザの復興や人々の生活の再建はできない」

地域の別の場所では、米国政府のイスラエル支持をめぐって、米軍がイラクおよびシリアのイランが支援する武装組織から攻撃を受けている。

イランと連携する武装組織によるエルビルの米軍基地へのドローン攻撃により、米兵1名が重体となり、2名が負傷したことを受けて、米軍は25日にイラクで報復の空爆を行った。

この空爆で「カタイブ・ヒズボラの戦闘員数名」が死亡し、同組織が使用する複数の施設が破壊されたと、米軍は発表した。

イエメン沖において船舶の近くでの新たな爆発の報告があった。イエメンではイランと連携するフーシ派が、世界で最も船舶の往来が盛んな航路のひとつである紅海の入り口で、イスラエルとつながりがあるとする船舶を攻撃している。

25日にイスラエルの空爆により、シリアにおいてイランの革命防衛隊の幹部1名が死亡した。

イスラエルの26日の発表によると、レバノン国境において、レバノンから教会に向けて発射された対戦車ミサイルによりイスラエル兵9名と民間人1名が負傷しており、報復としてヒズボラの標的に対する空爆が行われた。

イスラエルのヨアフ・ガラント国防相は、「多方面と戦争状態にあり、ガザ、レバノン、シリア、ユダヤ・サマリア地区(ヨルダン川西岸地区)、イラク、イエメン、イランの7方面から攻撃を受けている」と、イランが支援する武装組織が活動する6つの場所とイラン自体を挙げて、議員らに述べた。

「このうち6方面で、既に対応を行い、行動を起こしている」と同氏は述べたが、イスラエルがまだ対応を行っていない1方面がどこかを明示しなかった。

インドでは、ニューデリーにあるイスラエル大使館付近で爆発があった。当局は職員に負傷者はいないと発表した。

ロイター

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