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イスラエル閣僚、パレスチナ人に繰り返しガザからの退去を勧告

ガザ地区のエジプト国境に近いラファで、パレスチナ人避難民のテントキャンプを望む屋上の物干し竿に濡れた洗濯物をかける少年。2023年12月31日。(AFP)
ガザ地区のエジプト国境に近いラファで、パレスチナ人避難民のテントキャンプを望む屋上の物干し竿に濡れた洗濯物をかける少年。2023年12月31日。(AFP)
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01 Jan 2024 07:01:26 GMT9
01 Jan 2024 07:01:26 GMT9
  • 「ガザ地区でやるべきことは、移住の推進だ」とスモトリッチ氏はアーミー・ラジオ(Army Radio)で語った。

エルサレム: 12月31日、ベンヤミン・ネタニヤフ首相率いる右翼連立政権の幹部の一人が、ガザのパレスチナ人住民に対し、包囲された同地区を離れ、「砂漠に花を咲かせる」イスラエル人のため道を譲るよう呼びかけた。

戦時内閣から排除されガザの後処理に関する議論に参加していないベザレル・スモトリッチ財務相が行ったこの発言は、多くのアラブ諸国が抱いていた、イスラエルはパレスチナ人の建国予定地から彼らを追い出し、イスラエル建国の際に大量のパレスチナ人が土地を奪われた1948年の事件を繰り返そうとしているのではないかという懸念を浮き彫りにしたようだ。

「ガザ地区でやるべきことは、移住の推進だ」と同氏はアーミー・ラジオ(Army Radio)で語った。「もしガザにいるアラブ人が200万人ではなく10万や20万そこらになれば、後処理の議論は大きく変わってくるだろう」

同氏は「イスラエル国家を破壊する願望を抱きながら育つ」230万人の人々がいなくなれば、イスラエル人によるガザへの見方も変わるだろうと言う。

「イスラエル人の多くは『いいじゃないか、いいところだし、砂漠に花を咲かせよう、困る人もいないんだし』と言うだろう」

イスラエル人入植者のコミュニティから支持を集める極右政党・宗教シオニスト党を率いるスモトリッチ氏は過去にも似た発言を行っており、イスラエル最大の同盟国であるアメリカからひんしゅくを買っている。

しかし、同氏の意見は、ガザを支配するハマスとのもうすぐ4ヶ月目に入る戦争が終わり次第、ガザ市民が元の居住地に戻れるようにするとする政府の公式見解を反映するものではない。

およそ1年前、ネタニヤフ氏が6度目の首相の座を得るのに必要な過半数議席の確保に協力したスモトリッチ氏の政党は、紛争開始以降支持率を下げている。

世論調査でも、大多数のイスラエル人は、2005年にイスラエル軍のガザ撤退と同時に引き上げた入植地の再建設を支持していない。

パレスチナ人およびアラブ諸国の指導者らは、イスラエルが「ナクバ(大惨事)」再び起こそうとしていると非難している。「ナクバ」とは、イスラエル国家の建設に伴って発生した1948年の戦争の影響で、何十万人ものパレスチナ人が故郷から逃れたり追い出されたりなどした出来事を指す。

その多くは周辺アラブ諸国に移り住んでおり、アラブ諸国の指導者らは再び同じような強制移住を行う動きは許容できないとしている。

イスラエルは2005年、38年間にわたるガザ占領の後、イスラエル軍およびイスラエル人入植者をガザから撤退させている。ネタニヤフ首相は、再び恒久的な駐留を行うつもりはないが、イスラエルは無期限の治安維持を行うつもりだ、と述べた。

しかしイスラエルの長期の目的は不透明で、アメリカを含む多くの国々がガザはパレスチナ人が統治すべきとの立場を示している。

ロイター

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