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エジプト、住民の入居が始まった新首都の拡張計画を発表

カイロの東に建設が進む新行政首都(NAC)の風景(REUTERS)
カイロの東に建設が進む新行政首都(NAC)の風景(REUTERS)
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05 Jan 2024 01:01:42 GMT9
05 Jan 2024 01:01:42 GMT9
  • 無人の地に建設が進む新首都は、カイロの混雑と混沌から切り離された、エジプトのハイテクな未来のモデルとなるよう設計されている。
  • 新首都建設はエルシーシ大統領が推進する大型プロジェクトだ。

カイロ:エジプトは、カイロの東45kmの砂漠に建設が進む壮大な新首都の面積を2倍に拡張するため巨額の投資を準備中であり、すでに住民の入居は始まっていると、プロジェクトを統括する企業のトップが語った。

新首都は、アブドゥルファッターハ・エルシーシ大統領が推進する巨大プロジェクトのなかでも最大のものだ。計画は経済発展と現在1億500万人で増加を続ける人口を支えるうえで不可欠であると、エルシーシ大統領は主張するものの、資源の浪費や対外債務の増加につながるという批判もある。

新行政首都(NAC)プロジェクトの始動から8年後の昨年6月、国家公務員は新首都の第1フェーズで建設された省庁に勤務地を移した。

「約4万8000人が毎日通勤している」と、都市開発のための行政首都(ACUD)のチェアマンを務めるハレド・アッバス氏はロイターに語った。

無人の地に建設が進む新首都は、カイロの混雑と混沌から切り離された、エジプトのハイテクな未来のモデルとなるよう設計されている。政府は増え続けるエジプトの人口の一部を新首都が吸収することを期待している。同国の人口増加率は推定年間1.6%だ。

直近の建設ペースは鈍化しているものの、新首都のフェーズ1には、アフリカでもっとも高い70階建のタワーマンション、5つのホールを有するオペラハウス、巨大モスク、中東最大の大聖堂が含まれる。

昨春には新首都とカイロ東部をつなぐ電車の運転が始まった。今年第2四半期にはモノレールが開通予定であると、アッバス氏は述べる。

アッバス氏によれば、すでに10万戸以上の住宅ユニットが完成し、1200家族が入居したという。

主要銀行やその他の企業の本社移転は2024年第1四半期に完了する見込みだ。

ナイルの水

ACUDは新首都の第2、第3、第4フェーズのマスタープランの策定にあたり、コンサルタントを指名予定であると、アッバス氏は述べる。

フェーズ1と2では住民150万人の入居を見込んでおり、開発面積は168平方kmに及ぶ。フェーズ1の建設作業は今年後半から2027年まで続く見込みだ。

「需要は非常に高いため、すぐにでもフェーズ2に着手しなければならない。高需要が続けば、1年程度の間隔を開けて、フェーズ3に移行できるだろう」と、アッバス氏は展望を示した。

「グリーン・リバー」と銘打った、全長10kmの公園の灌漑・造園作業も進んでいる。

2年後を目処に、カイロ郊外のマーディにある水処理プラントを通じて、ナイル川の貴重な水を1日あたり80万トン輸送する予定となっている。70万トン規模の第2プラントの建設も計画中だ。2つを合計すると、エジプトが消費するナイル川の水の量の約1%に相当する。

またACUDは、9万3000席のスタジアムを中心とした巨大スポーツエリア「オリンピックシティ」の今年第2四半期までの完成を目指している。

株式の51%をエジプト軍が、49%を住宅省が保有するACUDは、フェーズ1のインフラ・住宅建設に5000億エジプトポンドを費やしたと、アッバス氏は述べる。

これは現在の為替レートで160億ドル、エジプトが2022年3月に通貨切り下げを開始する前のレートでは320億ドルに相当する。

アッバス氏は、第2フェーズにはさらに2500〜3000億エジプトポンドが必要になるとの見通しを示した。

2019年、アッバス氏の前任者は新首都の建設費の総額を580億ドルと見積もった。

エジプトの財政状況は、通貨の過大評価、送金の減少、巨額の対外債務の返済により逼迫している。

建設費の捻出のため、ACUDは2024年末までに株式の5〜10%を市場で売却する予定であり、1500〜2000億エジプトポンドの調達を見込んでいると、アッバス氏は明かす。

「6カ月以内に市場での株式の売却に関する決定を下すことができるだろう」と、彼は述べた。

ロイター

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