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ハマスの副政治局長殺害を受け、ヒズボラがイスラエル軍基地を攻撃

ヒズボラのAl-Manar TVからの2024年1月5日のキャプチャー画像。殺害されたハマスの副指導者サレハ・アル・アルーリ氏の写真が左側にうつる中、レバノンのシーア派運動組織ヒズボラのトップであるハッサン・ナスララ氏がテレビ放送される演説を行っている。(AFP)
ヒズボラのAl-Manar TVからの2024年1月5日のキャプチャー画像。殺害されたハマスの副指導者サレハ・アル・アルーリ氏の写真が左側にうつる中、レバノンのシーア派運動組織ヒズボラのトップであるハッサン・ナスララ氏がテレビ放送される演説を行っている。(AFP)
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07 Jan 2024 08:01:05 GMT9
07 Jan 2024 08:01:05 GMT9
  • ヒズボラの指導者は、ベイルートでのイスラエルによるものと思われる攻撃への報復を誓った
  • 2006年以降初めてとなる、イスラエルによるレバノンの首都攻撃で、ハマスのサレフ・アロウリ副政治局長が殺害された

ベイルート:土曜日、ヒズボラは、レバノンからイスラエル北部に向けて数十発のロケット弾を発射し、今回の集中砲火が、今週初めにレバノンの首都でハマス幹部が標的にされて殺害された、イスラエルによるものと思われる攻撃に対する最初の対抗措置であると警告した。

このロケット弾攻撃は、ヒズボラの指導者サイード・ハッサン・ナスララ氏が、ヒズボラの本拠であるベイルート南部で、この民兵組織と同盟を結ぶハマスのサレハ・アルーリ副政治局長が殺害されたことに対して、ヒズボラが報復しなければならないと語った翌日に起きた。ナスララ氏は、ヒズボラが反撃しなければ、レバノン全土がイスラエルの攻撃に対して脆弱になるだろうと語った。イスラエルとハマスの戦争が激しさを増すなか、ヒズボラとイスラエルの間の戦闘が激化する危険を冒してでも、同氏はレバノン国民に対応を訴えたかったようだ。

ヒズボラは、メロン山にあるイスラエルの航空監視基地に向けてロケット弾62発を発射し、直撃させたと述べた。さらに、ロケット弾は国境近くのイスラエル軍駐屯地2か所にも命中したと発表した。イスラエル軍はメロン山に向けて約40発のロケット弾が発射され、基地が標的にされたとしたが、基地への被弾については言及しなかった。また、ロケット弾を発射したヒズボラの拠点を攻撃したと発表した。

レバノン国営通信社(NNA)は、レバノン南部に対するイスラエル軍の空爆で、国境から約40キロ(25マイル)離れたクサーリエ・アル・シヤード村郊外が攻撃された報じ、死傷者が出たと付け加えた。国境での戦闘が約3か月前に始まってから、レバノン内陸部へのこのような空爆はほとんどなかった。NNAはまた、イスラエル軍がキアムの町を含む国境地帯を砲撃したと伝えた。イスラエル軍からのコメントは得られていない。

これとは別に、ムスリム同胞団のレバノン支部でハマスと緊密な関係のイスラミック・グループ・イン・レバノンの武装組織は、金曜日夜にイスラエルの都市キリヤット・シュモナに向けて、ロケット弾による一斉攻撃を2回行ったと発表した。アルーリ氏が殺害された攻撃では、このグループのメンバー2人が死亡した。

この国境を挟んだ事態の激化は、アントニー・ブリンケン米国務長官が、3か月前にイスラエル・ハマス戦争が勃発してから4度目となる中東地域への緊急外交歴訪を開始するなかで起こった。この戦争は、ハマスがイスラエル南部に対して致命的な攻撃を仕掛けたことで始まり、この攻撃でハマスは約1,200人(ほとんどが民間人)を殺害し、約250人を人質として拘束した。

ここ数週間、イスラエルはガザ地区北部での軍事攻撃を縮小する一方、南部での激しい攻勢を強めており、ハマスの殲滅を誓っている。南部では、ガザ地区に暮らす230万人のパレスチナ人の大部分が狭い地域に押し込められており、イスラエルの空爆にさらされて人道的な災害が続いている。

土曜日、ガザ地区のハマス保健省は、過去24時間に122人のパレスチナ人が殺害され、戦争開始以降の死者数は合計で2万2,722人になったと発表した。この集計では戦闘員と民間人は区別されていない。同省は、殺害された3分の2は女性または子どもであったとしている。また、負傷者の総数は5万8,166人に上っている。

AP通信が確認した記録によると、中心都市ディール・バラフにあるアル・アクサ殉教者病院は、一晩で少なくとも46人の遺体を受け入れた。その多くは撃たれたことが明らかな男性のものだった。この地域ではイスラエル軍とハマスの間で戦闘が激化している。記録によると、死者の中には空爆で死亡した家族5人も含まれていた。

直近でイスラエルが投下したビラでは、「危険な戦闘」を理由に、病院近くの一部地域のパレスチナ人に避難が促されていた。

イスラエルの地上攻撃の中心であるガザ地区南部のハーン・ユーニスでは、ヨーロッパ病院が市内マーン地区の家屋への夜間の空爆で死亡した18人の遺体を受け入れたと、同病院のサレハ・アル・ハムス看護部長が語った。アル・ハムス氏は目撃者の話として、避難民も含め30人以上がその家屋に避難していたと述べた。

イスラエルは、ハマスがガザ地区の民間インフラを隠れ蓑にしているとして、民間人の死傷者の責任はハマスにあるとしている。とはいえ、民間人の死者数が増加しているため、この戦争におけるイスラエルの行為に対する国際的な批判は高まっている。米国はイスラエルに対し、市民への被害を防ぐためのさらなる努力を促す一方で、武器や弾薬を送り続けると同時に、国際的な非難からその緊密な同盟国をかばっている。

土曜日、ブリンケン国務長官はトルコから今回の中東訪問を開始した。バイデン政権は、地域的な紛争勃発の懸念を抑えるうえで、トルコや他の国々が特にイランとその支援組織に対して影響を及ぼすことができると考えている。紅海、レバノン、イラク、イランでの出来事で、こうした懸念はここ数日でさらに高まっている。

トルコのレジェップ・タイイップ・エルドアン大統領およびハカン・フィダン外相との会談で、ブリンケン国務長官は、戦後のガザ地区をめぐる新たな計画へのトルコの支援を求めた。これには、復興活動への金銭または物品の寄付、およびガザ地区内および近隣で活動する、計画中の多国籍部隊への何らかの形での参加が含まれる。

トルコを発ったブリンケン国務長官は、トルコのライバルでNATO同盟国であるギリシャのキリアコス・ミツォタキス首相とクレタ島にある首相の自宅で会談するため、ギリシャへと向かった。ミツォタキス首相とギリシャ政府は、イスラエル・ハマス戦争の拡大を阻止する米国の取り組みを支持しており、状況が悪化した場合には支援する意向を示している。

今回の歴訪には、このほかヨルダンが含まれ、その後カタール、UAEを訪れる。ブリンケン国務長官は来週、イスラエルとヨルダン川西岸地区を訪問し、その後エジプトで歴訪を終える予定となっている。

欧州連合の外交政策責任者は、欧州とアラブ諸国のイニシアチブを立ち上げ、イスラエル・パレスチナ紛争の二国家解決につながる和平プロセスを復活させることを目指していると、ベイルート訪問中に語った。

AP

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