• 容疑者らは、トルコ在住の外国人を「追跡、襲撃、拉致」するなどの行為を企てた疑いで逮捕された
• イスラエル諜報機関モサドがトルコ国内でパレスチナ人とシリア人をリクルートしていたとされる

イスタンブール：2023年1月5日金曜夜、トルコ法務大臣は、イスタンブールの裁判所が、イスラエルのスパイ容疑で拘束された34人のうち15人を裁判に向けて刑務所に収監するよう命じたと発表した。

容疑者らは2日火曜、「偵察」活動やトルコ在住の外国人の 「追跡、襲撃、拉致」などを計画していた疑いで逮捕された。

法相ユルマズ・トゥンチ氏はソーシャルメディアに投稿し、イスラエル諜報機関のために「政治的または軍事的スパイ活動」を行った容疑で26人が裁判にかけられると述べた。他11人は司法管理下で釈放され、8人は国外退去を待っている状況である。

イスラエル諜報機関モサドは、トルコ在住の外国人に対する作戦の一環として、トルコ国内でパレスチナ人とシリア人をリクルートしたと言われていると国営アナドル通信が報じた。

アナドル通信は検察の文書を引用し、この作戦は「現在進行中のイスラエルとパレスチナ間の戦争の範囲内で、パレスチナ人とその家族 」を標的としていたと述べた。

容疑者の1人は、最近、治療を受けるためにトルコに移送されたパレスチナ人患者の情報を収集したとされる。トルコはイスラエルとハマスの紛争が始まって以来、ガザ地区から数十人のパレスチナ人患者を受け入れてきた。

容疑者らはイスタンブール及びその他7県で実施された57件の家宅捜索で拘束された。その数週間前、イスラエルの国内治安機関シンベトのトップは、同組織はレバノン、トルコ、カタールなど、どこであってもハマスを標的にする準備があると述べていた。

トルコ大統領レジェップ・タイップ・エルドアン氏は、もしイスラエルがトルコ国内のハマス幹部を攻撃するという脅しを強行すれば、「深刻な結果」になると警告した。

トルコとイスラエルは、長年の緊張関係の後、2022年に関係を正常化し、大使を互いに復帰させた。しかし、イスラエルとハマスの戦争勃発後、両国の関係は急速に悪化し、トルコ政府はガザ地区におけるイスラエルの軍事行動を厳しく批判するようになった。

イスラエルは当初、安全保障上の懸念からトルコから大使を呼び戻したが、その後、トルコ政府高官の「ますます厳しくなる発言」を理由に、政治的理由から大使を召還すると発表した。トルコもまた、イスラエルから大使を召還している。

イスラエルとハマスの戦争に対するエルドアン氏の反応は、当初はかなり穏やかだった。しかし、それ以来、同氏はイスラエルへの批判を強めており、ガザ地区でのイスラエルの行動を 「ジェノサイド 」に近いと表現している。イスラエル首相ネタニヤフ氏を「戦争犯罪人」として訴追するよう求め、ナチスの指導者アドルフ・ヒトラーとなぞらえる発言を行った。

エルドアン政権は、過去にハマス幹部らと面会したことがあるが、（イスラエル、米国、欧州連合（EU）からテロ組織とみなされている過激派組織である）ハマスについて、パレスチナ市民と土地を守るために戦っているとも述べている。

AP