
ドバイ、アラブ首長国連邦:イエメンのフーシ派反乱軍は9日夜にドローンとミサイルで紅海の船舶を狙ったが、今のところこの攻撃による船の被害はないとみられていると、当局が10日に発表した。
民間情報企業のAmbreyによると、攻撃はイエメンの港湾都市であるホデイダおよびモカの沖合で行われた。Ambreyの発表によると、ホデイダでの事件では、船から無線でミサイルとドローンを見たという報告があり、地域にいる米国の同盟国の戦艦は「各船舶に全速で進む」よう求めた。
モカの沖合では、発射された複数のミサイル、上空にいるドローン1機、船を追いかけてくる小型船が船から目撃されたと、Ambreyが10日早朝に発表した。
この地域における船舶への攻撃を監視する英国軍の英国海運貿易オペレーション(UKMTO)は、ホデイダで攻撃があったことを認識しているとした。
「連合軍が対応しており、負傷者や被害の報告はない」と、軍は発表した。「船舶は、用心して通行し、不審な活動があれば報告するよう忠告を受けている」
2014年からイエメンの首都を掌握するシーア派組織フーシ派は、攻撃したことを認める公式声明を直ちに出してはいない。しかし、汎アラブ衛星ニュースネットワークのアルジャジーラは、詳細については触れずに、匿名のフーシ派軍事当局者が、部隊が「紅海でイスラエルとつながりのある船を標的とした」と述べたと伝えている。
米海軍の中東を拠点とする第5艦隊、米中央軍全体、ワシントンの高官は、コメントの要請にすぐに応じることはなかった。
攻撃は、イスラエルのハマスとの戦闘におけるガザ地区への空および地上での激しい攻撃を終わらせるためのものだと、フーシ派はいう。しかし、攻撃が続く中で。フーシ派の攻撃で標的となる船とのつながりは希薄になってきている。
攻撃の標的となっているのは、中東およびアジアをスエズ運河経由でヨーロッパにつなぐ紅海と、紅海にある狭いバブ・エル・マンデブ海峡を航行する船だ。米国エネルギー情報局によれば、この海峡は最も狭いところでは幅が29km(18マイル)しかなく、通行は往路と復路のための2ルートに限られている。海運による石油貿易の10%近くがこの海峡を通る。年間で、推定1兆ドル相当の物資が通過している。
米国主導の多国籍連合が紅海を巡視し、攻撃阻止に努めている。ある事件において米国の部隊がフーシ派の船を沈め、反乱軍戦闘員10人を殺害したが、米国からの警告がありながらも、広範な報復攻撃はまだ行われていない。
一方、フーシ派と、イエメンの亡命政府に代わって戦うサウジアラビア主導の連合軍の間での別の暫定停戦は、イエメンの長期の戦争にもかかわらず、数か月にわたって維持されている。海でのより広範な衝突、もしくは西側諸国の軍による報復攻撃が、アラブ世界で最も貧しい同国における緊張再燃をもたらす可能性への懸念が高まっている。
AP