
アンカラ:世界の関心と資金の優先順位が紛争に苦しむ他の地域へと移るなか、トルコはシリア北西部への援助提供の延長について、国連などに強く働きかけていると、この交渉に詳しい2人のトルコ関係筋が語った。
トルコは、12年に及ぶシリア内戦でバッシャール・アサド大統領の打倒を目指す戦闘員たちを支援しており、シリア政府とは外交面でのつながりはないものの、2014年以降、国連安保理事会の承認を得て、主にバブ・アル・ハワ(シルベゴス)国境検問所を通じて、シリア北西部への援助物資を供給する中心となっている。
この許可は、昨年15か国からなる安全保障理事会が合意に達しなかったことを受けて、アサド政権によって一方的に1月13日まで延長された。
5万人以上が亡くなった2023年2月のトルコ・シリア地震の後、シリアはバブ・アル・サラームおよびアル・ライー国境検問所経由の救援物資提供の許可を新たに与えたが、こちらも2月13日に期限切れとなる。
関係筋は、この地域における長期の人道・開発プロジェクトの計画を可能にするには、特にバブ・アル・ハワに対する許可の延長が重要であると語った。
ある関係者は、期限を設けることで「絶え間ないプレッシャーが生じ、予見することができなくなった」と話した。
この関係者は、「国連はシリア政権とともに、今回は3か月や6か月といった期限を設けることなく、無期限に延長する可能性も検討している」と述べた。
そして、「私たちは、これら国境検問所の使用に関して国連が行っている交渉を注意深く見守っており、常にやり取りを行っている」と述べ、延長についてシリア政府と合意に至らなかった場合、安全保障理事会は拘束力のある決議を採択する可能性があると付け加えた。
シリア政権はこの問題に関するロイター通信のコメント要請に応じなかった。
一方で、2人の援助関係者はロイター通信に対し、バブ・アル・ハワ国境検問所については、シリア政府が一方的に更新するという、「心強い」ニュースを聞いたと語った。
国連人道問題調整事務所(OCHA)の金子絵里報道官は、内戦が縮小した現在も、シリア北西部は反政府勢力最後の主要拠点であり、援助物資はそこにいる約250万人にとっての「命綱」であり続けているため、シリア政府とは国境越えの援助について協議を続けていると話した。
金子報道官によると、2023年には5,000台の援助トラックがこの地域の国境を渡り、そのうち4,000台がバブ・アル・ハワ経由で入ったという。
2011年に内戦が始まってから、何百万という人たちがシリアから逃れており、その中にはトルコにいる約330万人の難民も含まれる。さらに、シリア国内では数百万人が避難民となっている。
アサド大統領は、イランとロシアの軍事支援を受けてシリアの大部分の支配を奪い返し、戦闘はほぼ沈静化している。
シリア人戦闘員らは現在、シリア政府が国連支援に対する影響力を確立しようとしており、アサド大統領が近いうちに、切実に必要としている人道支援を打ち切ることができるようになるのではないかと懸念している。
アサド政権は、政権支配地域を通じて北西部に援助物資を届けるクロスラインでの援助を望んでいる。
トルコは、制限されるようなことがない限り、クロスラインおよびクロスボーダー双方の援助を支持すると発言している。
トルコ関係筋によると、ガザ地区やウクライナなど、より激しい他の紛争により、援助国がシリア北西部への人道的資金提供を縮小するようになり、提供される援助物資の量に影響が出ているという。
「援助国に対し、これが地域と欧州に深刻な結果をもたらす可能性があることを念押ししている。我々は彼らに対し、『決定を再考するよう』伝えている」ともう一人のトルコ情報筋は語った。
トルコはシリア北部のクルド人武装勢力に対して国境を越えた軍事作戦を数回実施し、シリア内戦の政治的解決に向けてイランやロシアと協議を行い、最近ではシリア政府との関係回復に向けた措置を講じている。
しかし、トルコ政府は、テロリストとみなすクルド人武装勢力による国境を越えた攻撃の阻止やトルコにいるシリア人難民の帰還に関して、アサド大統領に譲歩する気がないため、この問題が停滞していると不満を述べている。
ロイター