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レバノン、トランプの和平案に関連する一切のパレスチナ人再定住拒否を誓う

ホワイトハウスで和平案を発表するトランプ大統領とイスラエル首相ベンヤミン・ネタニヤフ。(ファイル/AFP)
ホワイトハウスで和平案を発表するトランプ大統領とイスラエル首相ベンヤミン・ネタニヤフ。(ファイル/AFP)
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30 Jan 2020 02:01:49 GMT9
30 Jan 2020 02:01:49 GMT9

ナジア・フッサリ

ベイルート:米国大統領ドナルド・トランプ氏が火曜日に公表した中東和平案に対して、レバノンの政治家や活動家はパレスチナ人の故郷に帰還する権利を支持する姿勢を再度強調し、国土内に難民を永久的に再定住させようとする試みは一切受け入れないと表明しました。

トランプ大統領による案は、パレスチナ領土と、史上最悪の経済危機に直面しているレバノンを含む近隣諸国への何十億ドルにも及ぶ投資を含みます。この投資は、パレスチナ難民の永住を受け入れさせる誘因ではないかとの懸念もあり、国のキリスト教とイスラム教の均衡を揺るがすのではないかという恐れを掻き立てています。

レバノンには、12のパレスチナ難民キャンプがあります。水曜日には、それらのキャンプでトランプの計画に対する抗議の日が予定されていて、ゼネストや行進、集会が行われる予定でした。

レバノン内務省の数値によると、同国は1948年と2016年の間に60万人近くのパレスチナ難民を受け入れています。国連パレスチナ難民救済事業機関(UNRWA)に登録されている数は459,292人です。2017年にレバノン中央統計部とパレスチナ中央統計局によって行われた調査によると、キャンプに住む難民の数は174,422人です。

「レバノンは現在、この難局に立ち向かう戦略を持ち合わせていない」と、大臣間政府組織であるレバノン・パレスチナ対話委員会(LPDC)のハサン・ムナイミナ会長は語ります。

「外務省は再定住を既成事実として強要する試みに対応する戦略をまだ用意していない。私たちレバノン人は、この長い道に立ち向かわなければならない。再定住は一晩で起こることではなく、レバノンは不安定な経済状況と再定住問題を引き換えることには反対しなければならない。この件に関して一切譲歩するべきではない。

「経済危機の解決策は、再定住と引き換えに提供される誘惑とははっきりと切り離されなければならない。」

レバノンのマロン典礼カトリック教会代弁者ワリード・ガヤード氏は、「レバノンにパレスチナ人を再定住させようとする試みを絶対的に拒否し、憲法に掲げられているレバノンの公式な姿勢を支持する」と強調しています。

また、「再定住を要求するあらゆる取引は拒否され、(教会は)二国家共存案の確立を支持する。米大統領がエルサレムをイスラエルの首都として認識することを表明したとき、教会はイスラム・キリスト教スピリチュアルサミットを開催した。また、べチャラ・アルラヒ総大司教は、エルサレムの支援に関するアルアザールアルシャリフ国際会議に参加した」と付け加えます。

進歩社会党ワリード・ジュンブラート党首は、トランプのいわゆる世紀の取引は「二国家共存案の終結であり、別の故郷にたどり着くための追放計画の始まりだ」と述べています。

宗派の均衡を崩す懸念からレバノンでのあらゆる再定住に反対する自由愛国運動のMPシモン・アビ・ラミア氏は、この世紀の取引を「パレスチナ問題に反対する姉妹国家による裏切りの政策だ」と説明します。

自身もレバノンへの難民であり、パレスチナ解放のための民主戦線政府局の一員であるアリ・ファイザル氏は、「パレスチナ人の若者や家族の中には、レバノンから海外へと出稼ぎに出た人も多くいる。湾岸諸国で働くパレスチナ人は16万人いて、他にもヨーロッパやカナダに次第に移住していったり、少数はオーストラリアに移住したりしている」と述べています。

彼によると、「レバノンから海外に出て、違う国籍を持つパレスチナ難民は10万人弱。二重国籍を理由にレバノンの記録から2009年に削除された人々は、パレスチナ権力とレバノン国家がパレスチナ人の帰還権を主張する努力を始めてから、パレスチナ国籍を再取得し始めた。」

ファイサル氏は、トランプの和平案を「パレスチナ人と彼らの帰還権に対するホロコーストだ」と述べています。

また、「新しい世代のパレスチナ人は、前の世代よりもパレスチナに執着している。パレスチナ人は再定住を(希望しておらず)、むしろ帰還するために(抵抗を)続けるための支援を望んでいる。

「レバノンが現在経験している経済危機は、すでに人権を剥奪されているパレスチナ難民に影響を与えた。レバノンの難民キャンプ内でのパレスチナ人の失業率は60%から70%に上昇し、UNRWAの医療や救援サービスは減った。必要なのは、パレスチナ人がレバノンの経済危機を乗り切るためのUNRWAからの緊急計画だ」と付け加えます。

レバノンのファタハ運動は、「構成員の総動員」を発表、水曜日を「怒りの日」として全てのパレスチナ難民キャンプやコミュニティ内で抗議することを宣言しました。

ファタハは、「マフムード・アッバス大統領を支持する」ことを表明し、「国際法および人権法によって保障されている全ての方法を使ってこの悪どい取引に対抗する」と約束しました。

ハマース運動のレバノン交渉官であるアイマン・シャナア氏は、トランプの計画を「パレスチナ解放機構(PLO)との合意や国際的合意、さらにはオスロ合意や国際決議を破棄するようなものだ。この取引に対抗する唯一の方法は、全ての難関に立ち向かうパレスチナ国家の団結力のみだ」と述べました。

レバノンのイスラムジハード運動のイサン・アタヤ代表は、「トランプはイスラエル首相ベンヤミン・ネタニヤフに選挙に向けて手を貸そうとしているだけ。国際決議、人権基準や規範を放棄するものであって、我々はこの取引の決行を認めない。」と表明しています。

「故郷にいる人々と移住した人々は、権利を保守し再定住も追放も受け入れない。抵抗する準備はできている」と述べました。

 

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