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イスラエル人は、ガザ戦争が100日に近づくにつれて、「日常」を慎重に受け入れつつある

ガザ地区でイスラエルとハマスの戦闘が続く中、2024年1月8日、イスラエルの沿岸都市アシュケロンのマリーナにあるバーでくつろぐ人々。(AFP)
ガザ地区でイスラエルとハマスの戦闘が続く中、2024年1月8日、イスラエルの沿岸都市アシュケロンのマリーナにあるバーでくつろぐ人々。(AFP)
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13 Jan 2024 03:01:13 GMT9
13 Jan 2024 03:01:13 GMT9
  • イスラエル軍の執拗な軍事作戦により、2万3700人以上が死亡した。
  • 現在、戦闘は主にパレスチナ自治区の狭い範囲に限られており、イスラエル人は暴力から守られている。

イスラエル、アシュケロン:エフィ・ハジャジ氏はイスラエル南部のアシュケロンで海辺の屋台を再開し、彼が「勝利した」と定義する約100日間の戦争の後に戻ってきた海水浴客たちににコーヒーと軽食を提供している。

この海岸から10キロほど南下した場所にある、包囲されたガザ地区からの爆発音さえ聞こえなければ、砂浜の情景は至って静かな一日に感じたかもしれない。

「勝利は日常に戻ることを意味します。そして、ある種の日常が戻ってきたのです」と55歳のハジャジ氏は言う。ハマスによる10月7日の攻撃後、彼の店も他の多くの店と同様、営業を停止していた。

しかし、平穏な光景の背後には、イスラエル75年の歴史の中で最悪とされる攻撃のトラウマが、いまだに大きく立ちはだかっている。

パレスチナの武装勢力がイスラエル南部を襲撃し、ロケット弾を乱射した結果、公式発表に基づくAFPの集計によれば、民間人を中心に約1140人が死亡した。

これを受けたイスラエルは、米国と欧州連合(EU)から「テロリスト」組織とされているハマスの壊滅を宣言した。

ハマスが支配するガザの保健省によれば、イスラエル軍の執拗な軍事作戦によって、女性と子どもを中心に2万3700人以上が死亡しているという。

現在、戦闘は主にパレスチナの狭い領域に限られているため、イスラエル国民は暴力から守られている。しかし、境界を越えて拘束されている人質やガザ内の部隊の安否への不安は消えない。

10月7日には約250人の人質が拘束され、そのうち132人がガザに残っているとイスラエルは発表している。

「私たちは前進し続けなければならない……しかし、どこに行っても、会話は人質のこと、私たちが経験してきたことの話に行き着きます」と、アシュケロンの54歳の不動産業者、マリーナ・ミカエリ氏は語った。

「私たちは喜びを失ってしまった」と彼女は言った。

最近の世論調査によれば、イスラエルのユダヤ人多数派の間では、戦争への支持は依然として高い。

12月にイスラエル民主主義研究所(IDI)が行った調査によると、ユダヤ系イスラエル人の75%が、親密な同盟国である米国を含めた、この人口密集地における爆撃の強度を下げるよう求める声に反対していた。

また、世論調査によれば、80%が、戦争という文脈において、パレスチナ市民の苦しみは「ほとんど」あるいは「全く」考慮されるべきではないと感じているという。

学校や商店が再開するとすぐに、アシュケロンの住民の多くは日常生活に戻り始めた。

そして海沿いでは、「人々は再び外出するようになった」とハジャジ氏は語った。

10月7日、パレスチナの武装勢力はこの都市の郊外に到達した。

しかし今は、「ロケット弾はほとんど飛んでこないし、訪問客もテロリストの攻撃を恐れていない」とハジャジ氏は言う。

ガザから発射されたロケットのほとんどは、イスラエルの防空システム「アイアンドーム」によって迎撃されている。

それでも、アシュケロンの病院では、10月7日の攻撃やロケット弾による負傷のため、約1260人を治療したと病院の報道官は語った。

ガザの近くやレバノン国境沿いの地域では、暴力が勃発して以来、約20万人のイスラエル人が自宅に戻れないでいる。

イスラエル軍はまた、3カ月以上続いているこの戦争で36万人の予備役を招集した。

軍によれば、10月下旬に地上攻撃が始まって以来、少なくとも186人の兵士がガザ内で死亡したという。

兵士、人質、そして家を追われたイスラエル人への懸念は「私たちが日常に戻ったとは言えない」理由だと、イスラエルのオープン大学の政治学者、デニス・シャルビット氏は語った。

しかし彼は、「イスラエルの回復力」こそが「最高の復讐」だと主張する。「深く揺さぶられながらも、この驚くべき勢いと生きる意志で勝利を収めるのです」

殉職した兵士の物語や家族とのインタビューはテレビやラジオで放送され、人質のポスターは街角を埋め尽くしているように見える。

そのうちのいくつかは、11月に始まった1週間の停戦中に解放された人々に「帰還」というスタンプが押されている。

「彼らの思い出が祝福となりますように」と、哀悼の意を表しているものもある。

残された人質を解放するための「今すぐ彼らを帰国させよう」というキャンペーンが大きくなりつつある一方で、900万人強の国イスラエルでは、戦前の生活に戻りつつある兆候も見られる。

昨年から始まった、国を二分した強硬右派政権の司法改革をめぐる政治的論争が一時的に棚上げされていたが、再燃し始めている。

そして1月初旬、イスラエルは景気浮揚を図るため、数千人の予備役を帰還させると発表した。

消費を支えるため、イスラエル銀行は2022年4月以来初めて金利を引き下げた。

エルサレムでは、特に週末の始まりに、市の中心部にあるマハネ・イェフダ市場に大勢の人々が戻ってきている。

「すべてが空っぽだったときに……人々が買い物に来ているのを見るのは素晴らしい」と22歳のハンナ・ガベイ氏は言った。

「この国はまだトラウマを抱えている」と彼女は言った。「しかし、生命は何よりも強い、私たちは前進し続けなければなりません」

イスラエル北部では、レバノン国境に沿った数キロメートルのエリアの住民が、ハマスと同盟関係にあるヒズボラ過激派との衝突や民間人への攻撃の恐れから避難させられている。

南部では、ガザ地区との境界はほぼ立ち入り禁止区域のままである。

スデロットの住民3万5000人のほとんどは、ガザからわずか2キロメートルの町にまだ戻っていない。ここでは10月7日に武装勢力が少なくとも40人を殺害した。

数軒の店が再開している小さな広場を猫が歩き回っている。客足は戻っていない様子だ。鳥のさえずりと時折通り過ぎる車の音だけが静寂を破る。

「安全だとは感じません」と46歳の住民のエティ・ブブット氏は言った。

「しかし、私たちの国は一つしかないし、他に行くところもない」

AFP

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