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ハマスのイスラエル攻撃後、プレッシャーに晒されているダーイシュ

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14 Jan 2024 03:01:26 GMT9
14 Jan 2024 03:01:26 GMT9

アリーシュ:ハマスによるイスラエルへの死傷者を出した攻撃により、ダーイシュから注目が逸れているが、アナリストによると、このテロリスト集団はガザへの砲撃に対する怒りを利用して支持者を集めようとしていると言う。

イスラエルは、10月7日にパレスチナ人グループ、ハマスによる攻撃を受けて約1140人(公式発表に基づくAFP通信の集計による)が死亡した後、打倒ハマスを誓った。

また、武装勢力は約250人の人質を取り、132人が今もガザに残っているとイスラエルは発表している。そのうち少なくとも25人は、既に死亡したと考えられている。

戦争により、ハマスは脚光を浴びている。「ガザ戦争がなければ、ダーイシュがトップニュースになっていたでしょう」と、シンクタンク、対過激主義プロジェクトのハンス=ヤコブ・シンドラー所長は話した。

「ダーイシュは存在感を維持するため、かなりのプレッシャーに晒されている」

両集団とも、イスラエルや西側諸国から「テロリスト」と呼ばれているが、その意図はまったく異なる。

ハマスは、1948年以来、イスラエルによる占領からパレスチナの人々を守っていると自称している。

ダーイシュは、イランに敵対しており、2014年から2019年にかけてシリアとイラクで保持していた領土を失った後、世界的なイスラムのカリフ制プロジェクトを復活させることに注力している。

「しかし、その支持者はイスラエルやあらゆる『世界的なユダヤ人プロジェクト』にも反対しています」と、過激派のプロパガンダを分析するJOSプロジェクトの共同設立者、ローレンス・ビンドナー氏は言う。

「中東では、敵の敵は必ずしも味方ではないのです」と彼女は話した。

ダーイシュは、「いくつかの敵を同時に設定しています。ユダヤ人とイスラエルを支持する人々、そしてイランとその同盟国に対するものです」

今月初め、ダーイシュはイランにおいて、米国の無人機攻撃で革命防衛隊の名将ガーセム・ソレイマニ将軍が殺害されてから4周年を記念して集まった89人を殺害する攻撃を行ったと主張した。

ガザでの戦争が始まって以来、ダーイシュはパレスチナ人への同情を利用しようとしてきた。

10月下旬、ダーイシュは傘下のプロパガンダ雑誌『アル・ナバ』の中で、「パレスチナのイスラム教徒を支援する実践的な方法」という文章を発表し、イスラエルと欧米の支援者、そして世界中のすべてのユダヤ人を攻撃するよう支持者に促した。

今月初め、同テロリスト集団の報道官であるアブ・フダイファ・アル=アンサリ氏は、「そして、場所を問わず彼らを殺せ」と題する録音を投稿した。

ダーイシュは、「ガザ空爆と軍事侵攻に対するイスラム世界全体の反イスラエル感情を利用する好機を見出したのです」と、ミリタント・ワイヤー・ウェブサイトの共同創設者であるルーカス・ウェバー氏は話した。

「存在意義を高めて、成功するための入り口となっています」

「ダーイシュがハマスに対して特別な軽蔑の念を持ち続けているとしても、同過激派集団がその目的のためにこの戦争を利用する機会を見逃すわけはありません。西側諸国でのストライキを支持者に促し、迷っている人々を行動に向かわせ、怒りを募らせる人々を過激化させることを狙っています」

ここ数カ月、ヨーロッパではダーイシュに関連した活動が行われているが、低調だ。

フランスでは12月上旬、イラン人の両親から生まれたフランス人がダーイシュに忠誠を誓い、パリでドイツ系フィリピン人の観光客を刺殺した。

イタリア警察は11月、ミラノの地下鉄でアルジェリア人の男を逮捕したと発表したが、後に彼がダーイシュとの繋がりを疑われ、2015年以来アルジェリアから指名手配されていたことが判明した。

シンドラー氏は、より多くの人々の話題に上るためには、同テロ集団にとっては、ヨーロッパにおいてより大規模な作戦が「必要になるだろう」と述べた。

「彼らは既に長期にわたってネットワークを構築してきた。今は、注目を取り戻すため、何かをする必要に迫られている」

独立系の中東専門家であるエヴァ・クルリオティス氏は、ダーイシュは中東と中央アフリカで支持を集めることに重点を置いていると述べた。

彼らは「イスラム社会で人気を高め、その結果として、より多くのメンバーを集めたいのです」と彼女は語った。

AFP

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