
ドバイ/バグダッド: イランの革命防衛隊は、イラクのクルディスタン半自治区にあるイスラエルの「スパイ本部」を攻撃したと国営メディアが月曜日遅くに報じた。
イスラエルとパレスチナのイスラム主義組織ハマスとの戦争が10月7日に始まって以来、イランの同盟国もレバノン、シリア、イラク、イエメンから参戦し、中東に広がっている紛争の激化が懸念される中での攻撃である。
「シオニスト政権による最近の残虐行為に対抗して、衛兵隊と抵抗枢軸の司令官を殺害した……イラクのクルディスタン地方にあるモサドの主要スパイ本部のひとつを弾道ミサイルで破壊した」と衛兵隊は声明で述べた。
ロイターは独自にこの報告を確認することはできなかった。イスラエル政府当局者からのコメントは得られていない。
イランは先月、シリアで軍事顧問を務めていた衛兵司令官を含む3人の衛兵隊員が殺害されたことへの復讐を誓っていた。
10月7日のハマスによるイスラエル領内への暴挙と、それに続くイスラエルによるガザとレバノンへの空爆作戦以来、レバノンのイランが支援するヒズボラの戦闘員130人以上が敵対行為で殺害されている。
「衛兵の攻撃作戦は、殉教者の血の最後の一滴まで復讐を継続することを、われわれは国民に保証する」と衛兵の声明は述べている。
クルディスタンの首都エルビルの北東、米国領事館近くの住宅地での攻撃に加え、警備隊は、シリアで弾道ミサイルを多数発射し、ダーイシュを含むイランでの「テロ活動の実行犯を破壊した」と述べた。
ロイターはこの報道を独自に確認することはできなかった。
米、エルビル攻撃を「無謀」と非難
米国務省はエルビル近郊での攻撃を「無謀だ」と非難したが、当局者によれば、米軍施設は標的になっておらず、米軍による死傷者も出ていないという。
「我々は、イラク北部とシリア北部に着弾したミサイルを追跡した。ホワイトハウス国家安全保障会議のアドリアン・ワトソン報道官は声明で、「米国の要員や施設は標的になっていない」と述べた。
「われわれは状況の評価を続けるが、最初の兆候では、これは無謀で不正確な一連の攻撃であった。米国はイラクの主権、独立、領土保全を支持する」
今月初め、ダーイシュは、イラン南東部のケルマン市で起きた2つの爆発事件の犯行声明を発表した。
イスラエルとの戦争でハマスを支持するイランは、ガザでのイスラエルの犯罪を支持していると米国を非難している。米国は、イスラエルの作戦を支持するが、殺害されたパレスチナ市民の数に懸念を示している。
クルド人に対する犯罪
イラクのクルド人マスルール・バルザニ首相は事務所からの声明で、エルビルへの攻撃は “クルド人に対する犯罪 “だと非難した。
クルディスタン政府の治安評議会は声明の中で、エルビルへの攻撃で少なくとも4人の市民が死亡、6人が負傷したと述べ、この攻撃を “犯罪 “と表現した。
イラクの治安筋と医療筋によれば、少なくとも1発のロケット弾が自宅に衝突し、大富豪のクルド人実業家ペシュロー・ディザイー氏とその家族数人が死亡した。
ディザイー氏は、与党バルザニ一族に近い人物で、クルディスタンの主要な不動産プロジェクトを率いる企業を所有していた。
さらに、ロケット弾1発がクルド情報当局幹部の家に、もう1発がクルド情報センターに落下し、エルビル空港の航空交通が停止したと治安筋は述べた。
イランは過去にもイラク北部のクルディスタン地域を攻撃したことがあり、この地域がイランの分離主義グループや宿敵イスラエルの工作員の中継地として使われているとしている。
バグダッドは、2023年にテヘランと合意した安全保障協定の一環として、一部のメンバーを移転させるなど、山岳国境地帯の分離主義グループに対するイランの懸念に対処しようとしている。
ロイター