エルサレム:イスラエルのベンヤミン・ネタニヤフ首相は20日、前日の電話会談でジョー・バイデン米大統領に対して、ガザ地区におけるパレスチナの主権を拒否すると伝えたと述べた。
両指導者は19日に約1ヶ月ぶりに電話で会談し、バイデン大統領は会談後、ネタニヤフ首相が何らかの形でパレスチナ国家に合意する可能性はまだあると思うと述べた。
「バイデン大統領との会話の中で、ネタニヤフ首相は、ハマスが壊滅した後も、イスラエルはガザの安全管理を維持し、ガザがイスラエルにとって脅威とならないようにしなければならないという方針を繰り返した」とネタニヤフ首相の首相府は20日に発表された声明のなかで述べた。
18日、ネタニヤフ首相は占領下のヨルダン川西岸地区におけるパレスチナの主権を拒否し、イスラエルが必要とする「ヨルダン川以西の全領土の安全管理」とは相容れないと述べた。
バイデン大統領は19日の電話会談後、何十年も外交官らが中東に平和をもたらす最良の方法とみなしている二国家解決にネタニヤフ首相が何らかの形で歩み寄る可能性はあると述べた。
「二国家解決にはいくつかの種類がある。国連加盟国の中には、自国の軍隊を持たない国もたくさんある」とバイデン大統領はホワイトハウスでのイベントの後、記者団に語った。
ハマスの高官は20日、イスラエルがパレスチナ国家の樹立に同意する可能性についてのバイデン大統領のコメントを否定した。
「バイデン大統領がパレスチナ国家とその在り方について説いているという幻想は、我々の民衆を欺くことはできない」と、イスラム主義組織ハマスの政治局員であるイザット・アル・リシュク氏は声明で述べた。
「バイデン大統領は大量虐殺戦争の全面的なパートナーであり、我々の民衆はバイデン大統領に何の期待もしていない」
ネタニヤフ首相は、パレスチナのイスラム主義組織が10月7日にイスラエルを襲撃したことを受けて、ハマスの殲滅とガザの非武装化を誓っており、あらゆる形態のパレスチナ国家樹立を含む計画への米国の圧力に対する抵抗を強めている。
公式発表に基づくAFPの集計によれば、ハマスの襲撃により、民間人を中心に約1,140人が殺害された。
イスラエルは容赦ない空爆と地上攻撃を続けており、ガザの保健省の統計によれば、少なくとも24,927人のパレスチナ人が殺害され、そのほとんどが女性と子供だという。
AFP