• イスラエル兵がガザ中心部で2棟の建物を解体するための爆発物を準備していたところ、武装勢力が近くの戦車に向けて携行式ロケット弾を発射した

ガザ：イスラエル軍は23日、ハマス武装勢力との3か月に及ぶ戦闘の中で最悪の攻撃により、ガザ地区で21人の兵士が死亡したと発表した。

イスラエル軍主席報道官のダニエル・ハガリ少将が語ったところによると、22日、予備兵がガザ中心部で2棟の建物を解体するための爆発物を準備していたところ、武装勢力が近くの戦車に向けて携行式ロケット弾を発射した。

この爆風が爆発物の誘爆を招き、2階建てのビルは2棟とも中に兵士を残したまま崩壊した。

多数の犠牲者が出たことで、攻撃を一時停止するか、あるいは完全に中止するようイスラエルに求める声が新たに高まる可能性がある。これまでも、多数のイスラエル人犠牲者が出た際には、イスラエル政府に軍事作戦の中止を求める圧力がかかってきた。

ベンヤミン・ネタニヤフ首相は、イスラエルはハマス武装グループの支配を打ち砕き、ガザで拘束されている100人以上の人質の自由を勝ち取るまで戦い抜くと明言してきた。ただ、イスラエル国民の間では、その両方が実現可能なのかどうかについて、さらに意見が分かれつつある。

人質の家族やその支持者の多くは、人質を生還させるための残り時間はわずかであるとして、イスラエル政府に休戦協定を結ぶよう求めている。22日には、数十人の人質の親族が議会の委員会で、愛する人々の解放を勝ち取るための協定を結ぶよう強く要求した。

イスラエルの攻撃は、10月7日、ハマスによる越境攻撃で1,200人以上が死亡し、約250人が拉致された後に開始された。その後、1週間にわたる停戦とイスラエルに収監されていたパレスチナ人240人の解放と引き換えに、11月に100人以上が解放された

ハマスが支配するガザの保健当局によれば、この攻撃は広範囲の破壊をもたらし、ガザの人口の推定85％が避難し、25,000人以上のパレスチナ人が死亡したという。国連と国際援助団体は、この戦闘が人道的危機を引き起こし、この地域の230万人の人々の4分の1が飢餓に直面していると述べている。

この紛争は地域の緊張を高めており、レバノン、シリア、イラク、イエメンではイランが支援するグループがパレスチナ人を支援するため米国やイスラエルの標的を攻撃している。米国や英国は22日、イスラエルを封じ込めようと紅海で国際海上輸送路を攻撃しているイエメンのフーシ派反体制派に対して、新たな攻撃を開始した。

イスラエル予備兵が死亡した攻撃は、国境から600メートル（ヤード）ほど離れたマガジで起こった。マガジは、ガザ中心部にある密集した3つの難民キャンプの一つで、イスラエル建国をめぐる1948年の戦争にまでさかのぼる歴史を持つ。

イスラエルが、ガザ市を含むガザ北部に広範な破壊をもたらした作戦で、ハマスの大部分を打ち破ったと主張してからは、その地上作戦は難民キャンプや南部の都市ハーン・ユーニスに集中している。

22日にはハーン・ユーニスで激しい戦闘があり、パレスチナ人数十人が死亡した。同市のナーセル病院の中庭では人々が墓穴を掘り、病院スタッフは子供を含む多数の負傷者への対応に苦慮していた。

ガザのインターネットおよび電話のネットワークは22日、紛争中10回目の通信途絶を起こし、これはファースト・レスポンダーにとって新たな障害となり、領内各地との連絡は不可能になった。

イスラエルは、ガザにおけるハマス最高指導者で居所不明のヤヒヤ・シンワル氏の出身地、ハーン・ユーニスの広大なトンネル群に、ハマスの司令官が潜伏している可能性があると考えている。また、ハマスの指導者たちは人質を人間の盾にしていると考えられており、救出をさらに困難なものにしている。

死者数の増加と切迫した人道的状況により、攻撃を縮小し、紛争後にパレスチナ国家を樹立するための交渉に応じるよう求める国際的な圧力は高まっている。しかし、ネタニヤフ首相はどちらも拒否している。

AP