• 国連事務総長のグテーレス氏は、複数の国が資金拠出を一時停止したUNRWAへの支援を継続するよう各国政府に要請した
• 国連パレスチナ難民救済事業機関（UNRWA）は、イスラエルからの告発を受け、職員数名を解雇し、疑惑に関する徹底した調査を約束した

ニューヨーク：2024年１月27日土曜、国連事務総長のアントニオ・グテーレス氏は、2023年10月7日のハマスによるイスラエル攻撃に、国連パレスチナ難民救済機関（UNRWA）の職員らが関与したとの告発があったことで、複数の国がUNRWAへの資金援助を一時停止したことを受けて、同組織の「継続を保証」するよう、援助国に要請した。

「援助国の懸念は理解できる。私自身もこの疑惑の報告を受け、愕然とした。しかし、資金援助を停止した国々の政府に対し、少なくともUNRWAの活動継続を保証するよう強く訴える」とグテーレス氏は声明で述べた。

イスラエルは、UNRWAの職員数名がハマスの攻撃に関与したと主張し、これを受けて、複数の主要な援助国がUNRWAへの資金援助を停止した。

UNRWAはイスラエルの告発を受け、数名の職員を解雇し、詳細は明らかとなっていないが告発された内容についての徹底した調査を約束した。一方で、イスラエルは戦後、ガザ地区でのUNRWAの活動を排除すると宣言した。

今回のイスラエルによるUNRWAへの告発は、1月26日金曜、国連機関である国際司法裁判所がイスラエルは紛争において大量虐殺の可能性のある行為を防ぎ、ガザ地区へのさらなる援助を可能にする措置を取るよう判決を下した後のことであった。

事務総長のグテーレス氏は「これらの職員の忌まわしい疑惑の行為には、結果が伴わなければならない」と述べた。

「しかし、UNRWAで働く何万人もの職員の多くは、最も危険な状況において人道支援活動を行っており、罰せられる立場ではない」と付け加えた。

「彼らが支援する絶望的な状況の中にいる人々の、切実なニーズは満たされなければならない。」

グテーレス氏は告発では12人のUNRWAの名前が揚げられており、国連が調査を行っていると認めた。

同氏によると、9人が解雇、1人が死亡、「他2人の身元は確認中である」という。

今回の告発を受け、アメリカ、イギリス、カナダ、スイスなど、UNRWAへの複数の主要な援助国が、現在または将来の資金延長を一時的に停止すると発表した。

ハマスは27日土曜、イスラエルのUNRWAに対する「脅迫 」であると非難し、国連やその他の国際機関に対し「脅迫や恐喝に屈しない」よう求めた。

公式発表に基づくAFPの集計によると、イスラム原理主義組織ハマスによる10月7日の攻撃により、イスラエルでは約1140人が死亡した。

また、ハマスは約250人を人質として拉致し、イスラエルは、少なくとも28人の遺体を含め、約132人がガザ地区に残されていると発表した。

ガザ地区の保健省によると、2023 年10月下旬に始まったイスラエルによる軍事攻撃によって、少なくとも2万6257人が死亡、そのほとんどが女性や子どもだという。