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国連機関は窮地に立たされ、資金削減のためにガザ地区での救済活動が「崩壊」していると警告

2023年11月9日、パリのエリゼ大統領官邸で開催されたガザ民間人に関する国際人道会議で講演する、UNRWAのフィリップ・ラザリーニ事務長官 (AFP)
2023年11月9日、パリのエリゼ大統領官邸で開催されたガザ民間人に関する国際人道会議で講演する、UNRWAのフィリップ・ラザリーニ事務長官 (AFP)
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28 Jan 2024 10:01:29 GMT9
28 Jan 2024 10:01:29 GMT9
  • 地元保健当局によると、イスラエルとハマスの戦争により、2万6000人以上のパレスチナ人が殺害され、ガザ地区の広範囲の地域が破壊され、同地域に住む230万人の約85パーセントが避難を余儀なくされた。

ラファ、ガザ地区:戦争で荒廃したガザ地区で活動する主要な国連救済事業機関の事務局長は、1月27日夜、4か月前に起こり多くの死者を出したハマスによるイスラエル攻撃に数人の職員が関与していたという疑惑を受け9か国が資金削減を決定したため、機関の活動が崩壊しつつあると警告した。

国連パレスチナ難民救済事業機関( UNWRA)のフィリップ・ラザリーニ事務局長は、現在進行中のイスラエル・ハマス戦争において「飢饉が迫っている」中、このような決定がなされたことに衝撃を受けたと語った。 「ガザのパレスチナ人には、これ以上の集団的処罰は必要ない。これは我々全員を汚すものだ」と彼はXに投稿した。

同氏の警告は、彼が本戦争のきっかけとなった10月7日のイスラエル攻撃に関与した疑いのある複数の機関職員を解雇し、捜査を行っていると発表した翌日に表明された。 米国は、12人の当局職員が捜査を受けていると主張し、直ちに資金提供を停止すると発表した。英国、イタリア、フィンランドなど数か国もこれに続いた。

UNRWAはガザに1万3000人の職員を擁し、そのほとんどがパレスチナ人であり、人道危機に瀕するガザ住民を支援する主要組織である。ラザリーニ事務局長は、この地区の人口230万人のうち200万人以上が、食料や住居を含めた「最低限の生存」においてこの救済事業機関に依存していると述べ、このライフラインは「今すぐにでも崩壊する可能性がある」と警告した。

地元保健当局によれば、イスラエル・ハマス戦争により2万6000人以上のパレスチナ人が死亡し、ガザ地区の広範囲の地域が破壊され、同地域に住む230万人のほぼ85パーセントが避難した。イスラエル南部のハマスの攻撃では、民間人を中心に約1200人が死亡し、約250人が人質とされた。

イスラエルのベンヤミン・ネタニヤフ首相は1月26日、イスラエル軍に対しガザ攻撃における殺害と破壊を制限するように命じる国際司法裁判所の判決に反発し、「我々は、自国の安全のために必要なことを決定し、それに従って行動する 」と宣言した。

この判決以降報告された最初の死者として、イスラエルがハマスの司令官を標的にしていたと主張する空爆により、パレスチナ人3人が死亡したという目撃者情報がある。

国連最高裁判所がイスラエルに対し、1か月後に遵守報告を提出するよう求めたため、イスラエル軍に対する監視はますます厳しくなっている。この1月26日に出された法的拘束力を持つ命令は、停戦を命じるまでには至らなかったが、ガザを支配するハマスに対する約4ヶ月間にわたる戦争でイスラエルが取ってきた行動に対する非難でもあった。

ガザ保健省は、前日だけで、少なくとも174人のパレスチナ人が殺害されたと発表した。 犠牲者数のうち戦闘員と民間人の区別は明かされていないが、約3分の2は女性と子供だとしている。

イスラエルは、過激派が地元住民に紛れていると主張し、民間人の死傷者に対してハマスに責任があると主張している。 イスラエルは、ガザ地区での空爆および地上の攻撃により、9,000人以上の武装勢力が死亡したと発表した。

イスラエル軍は、南部の都市ハーン・ユーニスで「テロリスト関連の標的を狙った襲撃」を数回行ったと発表した。また、その近くのラファでは、ハマスの司令官を標的とした空爆も行った。

ビラル・アル・シクシクさんは、就寝中に起きたラファの攻撃で妻、息子、娘を失ったと語った。 彼は、国連裁判所の判決は停戦を命じなかったため、ほとんど意味がないと述べた。

「誰も、彼ら(イスラエル)には何も言えない。 偉大で強力なアメリカさえも何もできない」と、彼は瓦礫とねじれた金属だらけの自宅跡の前で語った。

イスラエルが市民にラファとその周辺地域に避難するよう命じたことを受け、100万人以上がラファとその周辺地域に押し寄せた。 指定された避難地域は繰り返し空爆を受けているが、イスラエルはこれに対し、必要に応じて過激派を攻撃していると述べている。

狭い海岸地帯ムワシは、かつては安全地帯に指定されていたが、ここ数日空爆を受けている。避難民となったパレスチナ人たちは、じめじめと肌寒い天候の中、ゴミがあふれる水たまりをサンダル履きで不器用に歩いていた。 シーツや防水シートで作られた壁が風になびく。 ある母親は、雨が侵入して毛布が濡れてしまい、涙を流していた。

「これが私たちの生活です。何もなく、何も持たずに(家を)出ました」とバッサム・ボルボルさんは話した。家族はハーン・ユーニスを出たもののラファには避難場所が見つからず、ムワシに行きついたという。

先の見えない状況に不満は募るばかりだ。何千人ものガザ市民がハーン・ユーニスからムワシに向かって逃がれる中、イスラエルは、人々がハマス打倒を叫ぶ様子を映したビデオを発表した。

南アフリカがICJに提起した裁判では、イスラエルがガザの人々に対して大量虐殺を犯していると主張されているが、イスラエルはこれを激しく否定している。最終的な判決には何年もかかると見られている。

国連によれば、ガザに入る援助は、戦争前の1日平均トラック500台を大きく下回っているため、ICJはイスラエルに対して、ガザへ緊急援助物資を搬入させるよう命じた。国連はまた、検問所での「過剰な遅延」と軍事活動の活発化により、ガザ中心部と北部へのアクセスが妨げられていると指摘している。

世界保健機関と医療慈善団体MSFは、ハーン・ユーニス最大の医療施設であるナセル病院について緊急警告を発し、物資が不足し、近くで激しい戦闘が行われているため、残されたスタッフはほとんど業務を行うことができない状態だと述べた。

WHOが発表した映像では、混雑した病院内で人々が血で汚れた床の上で治療を受けている間、付き添う人が取り乱し、叫んだりもみ合ったりしている様子が映し出されている。また、猫が医療廃棄物の山を漁っていた。

「残っている鎮痛剤はこれだけだ。数えると、もう4、5人分しかない」とムハンマド・ハララ医師は訴えた。

ガザ保健省のアシュラフ・アル・キドラ報道官は声明の中で、ナセル病院では集中治療室用の麻酔薬やその他の医薬品が不足しており、血液も「危険なまでに」不足していると述べた。

イスラエルの最も近い同盟国であるアメリカは、ガザ攻撃を支持する一方で、自制とガザへの人道援助の拡大を求める姿勢を強めている。

ガザに囚われた人質の解放を確保するための交渉に向けて、さらなる調停が予定されている。昨年11月の1週間の停戦中には、パレスチナ人囚人との交換で100人以上が解放された。残りの136人の中に死亡者もいると見られている。

事情を知る匿名の関係者3人は、アメリカのCIA長官は、イスラエルとエジプトの情報機関のトップおよびカタールの首相とヨーロッパで会談する予定であるという機密情報を明かした。

ネタニヤフ首相は演説の中で、カタールに対する以前の批判を「一言たりとも」撤回しないと述べ、ハマスの指導者を受け入れ、ハマスに資金を提供しているとして同国を再び非難した。

「もし彼らが自らを仲介役と位置づけているのなら、それを証明して人質を取り戻してほしい。またそれまでの間、人質に医療品を届けてくれ」とネタニヤフ氏は述べた。

首相の発言は左翼寄りの支持層を狙ったものと思われるが、それ以外のイスラエル人たちは、テルアビブとエルサレムのネタニヤフ首相官邸前で再び集会を開き、政府が人質を全員連れ戻せないことに不満を示し、新たな選挙の実施を要求した。また、イスラエルは、世界各国とともに国際ホロコースト記念日を祝った。

ハマスは、戦争の終結とイスラエルが拘束している多数のパレスチナ人囚人の解放と引き換えの場合のみ、人質を解放するとしている。

AP

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