
ロンドン:国連パレスチナ難民救済事業機関(UNRWA)が1日に発表したところによると、ガザ地区200万人以上に影響が及んでいる壊滅的な人道状況は、援助国16カ国がUNRWAへの資金拠出を停止したために、さらに悪化する危機的状況となっている。
ハーン・ユーニスでのイスラエルによる爆撃や軍事作戦が激化し、夥しい数のパレスチナ人がガザ南部への避難を余儀なくされている。すでに140万人以上が必死に生き残ろうとしているガザ南部のラファでは、過密状態がさらにひどくなっている。
ほとんどの避難民が仮設の建物やテント、屋外で避難を続けており、生きていくために必要なUNRWAからの食料や援助を失うことを恐れている。
「ラファは爆撃から逃げてきた多くの人々であふれている」と、UNRWAのガザ問題担当責任者、トーマス・ホワイト氏が語った。
ハーン・ユーニスから逃れてきた住民のほとんどが、すでに数回避難しており、その多くがUNRWA最大の避難所であるハーン・ユーニス訓練センターからの退去を余儀なくされている。
自身も避難民の一人であるUNRWAのスタッフは、周囲の新たに避難民となった住民に食料とテントの配布を続けている。
ガザ地区の住民、とりわけその大半を占める女性と子供が避難所、食料、医療などの基本的ニーズについてUNRWAを命綱にしており、その重要性は飛び抜けている。
紛争が続く中、人道状況は悪化の一途をたどっている。イスラエルがガザ地区を封鎖しているために、人道的アクセスが大幅に制限されたままである。
紛争が勃発してから、UNRWAは飢餓状態一歩手前のガザ北部へ入るのを制限されている。
ホワイト氏は次のように語った。「UNRWAは、ガザ北部の住民が鳥の餌を砕いて粉にしているという報告を受けています。ガザ北部に入ることができるようにイスラエル軍との調整を続けていますが、ほとんど拒否されています」
「UNRWAの援助トラックがやっとガザ北部へ入るのを許されたのですが、住民は食料を求めてトラックに殺到し、しばしばその場で食べてしまいます」
ガザ地区最大の人道支援組織であるUNRWAは約1万3000人のスタッフを雇用しており、そのうち3000人以上が困難な状況にも関わらず、今もUNRWAの人道的取り組みに積極的に関与している。
ホワイト氏は、「UNRWAがない状態で、ガザ住民がこの危機を生き延びるのを想像するのは難しい」と語った。
オーストリア、オーストラリア、カナダ、フィンランド、ドイツ、イタリア、日本、英国を含む一部の国は、米国に追随する形でUNRWAへの資金拠出を一時停止した。