ロシアの報道機関が伝えたところによると、ウラジーミル・プーチン大統領は7日、ロシアのユダヤ人コミュニティの指導者らに対し、イスラエル・ハマス紛争に巻き込まれた人質の解放に向けた外交努力でロシア政府は「具体的な成果」があったと語った。
ロシアの報道機関によると、プーチン大統領はロシアの首席ラビ、ベルル・ラザール氏、ユダヤ人コミュニティ連盟のアレクサンドル・ボロダ会長との会談でこのように述べたという。大統領によると、ロシアはハマスの政治部門とのつながりを利用したという。
「ロシアは中東情勢の緊張が高まっているのを受け、人質になった人々を助けるためにあらゆる手を尽くしている」大統領は次のように続けた。
「周知のとおり、我が国の外務省がハマスの政治部門を通じて働きかけ、概ね具体的な成果が得られた」
伝えられた発言によると、大統領は詳細については触れていない。
ロシア政府はロシア国民を助けるために努力しているが、それ以外の人々も助けようとしているとプーチン大統領は語った。
「人質の中にはホロコーストを生き延びた高齢者やその家族も含まれている」という。そして次のように続けた。
「しかし、こうした努力を続けることが極めて重要であることを重々承知している。現在も努力を続けている」
2年近く前に勃発したウクライナ紛争以降、イスラエルの大敵であるイランに接近しているロシアは、パレスチナ国家への支持を改めて表明し、ガザ地区でのイスラエルの軍事行動を非難した。
ロシア政府はまた、中東における暴力は米国の中東政策の失敗が招いたと述べた。
大統領がホロコーストの生存者に言及した前日に、ロシア外務省はイスラエルのシモーナ・ハルペリン駐ロシア大使に対し、大使によるセルゲイ・ラブロフ外相とロシアの中東政策への批判に対する「否定的な反応」を伝えていた。
ロシア当局はロシア紙コメルサントに掲載されたハルペリン大使の「容認できないコメント」を非難していた。大使は同紙のインタビューで、ラブロフ外相がホロコーストの重要性を軽視し、ロシアはハマスと友好的すぎると語っていた。
ロイター