
ベイルート:イスラエルが10日未明、シリアの首都西部にある「住宅ビル」を空爆したと戦争監視団が報告した。
2011年にシリアで内戦が勃発して以来、イスラエルはヒズボラの戦闘員やシリア軍の拠点など、親イラン武装勢力を主な標的とし、同国に対して数百回の空爆を行っている。
しかし、10月7日にガザでハマスとの戦闘が始まってからは、この北方の隣国に対する軍事作戦をさらに強化している。
シリア人権監視団によると、10日に実施された「イスラエル軍の攻撃」は、「シリアの首都ダマスカスの西部にある住宅ビル」が標的になったという。
シリア国内に広範な情報網を持つ英国拠点の同戦争監視団は、ダマスカス県のディマス地区などからも「激しい爆発音」が聞こえたと報告した。
シリアの国営メディアは空爆があったことを伝え、10日未明にダマスカス郊外へ向けて発射されたミサイルの一部は、同国の防空システムが撃墜したと報じた。
シリアの国営シリア・アラブ通信(SANA)が軍筋の話として伝えたところによると、ミサイルはイスラエル占領下のゴラン高原から発射され、「一部に物的損害」が発生したという。
この空爆が行われる前日の9日には、シリア人権監視団がダマスカス西部にある軍用飛行場に近いエリアでミサイル攻撃があったと伝える一方で、シリア国防省も、イスラエルが占領するゴラン高原の方角からシリア領空に侵入するドローンが確認されたと報告していた。
シリア人権監視団は、「首都ダマスカスの西部にあるマゼフ軍用飛行場のエリアが標的になった」と話したが、「ミサイル」攻撃だとするこの事件の首謀者については言及しなかった。
同エリアには「レバノンのヒズボラやその他の親イラン勢力に関係する拠点がある」と、同監視団は説明している。
また、シリア国防省も声明を出し、9日の午後2:10(GMT 11:10)頃、「2機のドローンがイスラエル占領下にあるゴラン高原の方向からシリア領空を侵犯した」と発表した。
「防空システムが対応し、ダマスカス西部でそれらを撃墜した」という。
シリア人権監視団とシリア国防省のどちらも、事件の首謀者については明言しなかった。
(協力:ロイター)
AFP