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ジェノサイド防止国連顧問、ラファにおける残虐行為の「深刻で疑う余地のない高い」リスクを警告

2024年2月14日水曜日、イスラエル軍によるハーン・ユーニス攻撃から逃れ、ガザ地区のラファにたどり着いたパレスチナ人たち。(AP通信)
2024年2月14日水曜日、イスラエル軍によるハーン・ユーニス攻撃から逃れ、ガザ地区のラファにたどり着いたパレスチナ人たち。(AP通信)
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15 Feb 2024 03:02:06 GMT9
15 Feb 2024 03:02:06 GMT9
  • アリス・ワイリム・ンデリトゥ氏はガザ地区に関してほぼ沈黙を保っていると批判を受けており、先週には、同地区におけるジェノサイドの可能性を警告しなかった職務怠慢で非難された
  • 同氏は、イスラエルによる地上攻撃は「ほぼ確実にその地域の民間人に悲惨な結果をもたらすだろう」と述べている

エファレム・ コッセイフィ

ニューヨーク市:国連のジェノサイド防止担当事務総長特別顧問アリス・ワイリム・ンデリトゥ氏は水曜日、イスラエル当局がラファへの軍事侵攻による脅しを引き続き行った場合、ガザ地区で行われている残虐行為の危険性は「深刻で疑う余地のない高い」ものとなると警告した。

彼女は、ラファへの地上攻撃が「ほぼ確実に、そこに住む人々、さらにはガザ地区の他の地域を苦しめてきた暴力から逃れ、ラファに避難している100万人あまりの国内避難民の双方に悲惨な結果をもたらすだろう」と懸念を表明した。

ガザ地区最南端の都市ラファは、同地区内で避難民となったパレスチナ人にとって最後の避難場所となっている。しかし、アムネスティ・インターナショナルによると、ラファはここ数日イスラエル軍の空爆による激しい砲撃を受けており、子ども42人を含む少なくとも95人が殺害された。

先週、イスラエルのベンヤミン・ネタニヤフ首相は、ラファに潜伏しているとするハマス武装勢力の撃破を誓い、同市内への地上攻撃の準備を軍に命じたと語った。

ガザ地区の人口230万人の半数以上が、現在、エジプトとの国境に近いラファにひしめき合っているが、10月に戦争が始まる以前、この地にはわずか25万人しか住んでいなかった。避難民の多くは、安全な飲み水や食料がほとんど、あるいはまったく手に入らない劣悪な環境のなか、仮設の避難所やテントで暮らしている。

「民間人の保護が優先され、国際人道法が常に尊重されることが不可欠である。ラファのみならずガザ地区全体において、暴力も、最も弱い立場にある人々の苦しみももう十分だ」とンデリトゥ氏は述べた。

国連のマーティン・グリフィス人道問題担当事務次長は火曜日、イスラエルによるラファへの攻撃は、「その激しさ、残虐性、範囲において比類のない攻撃」であり、その結果として、すでに苦しんでいるパレスチナ人の「大量殺戮」につながる可能性があると警告した。

ンデリトゥ氏はまた、人道支援物資を最も必要としている人々に確実に届けられるよう、「人質全員を無条件に」解放するとともに、さらなる暴力の阻止ならびに持続可能な停戦合意に向けた取り組みを強化する必要性があると強調した。

「10月7日以降、この地域の民間人は乗り越えられないレベルの苦しみを経験し、今も経験し続けている。これは今すぐにでも終わらせなければならない」と彼女は語った。

パレスチナの主要人権団体は、先週アントニオ・グテーレス国連事務総長に送った書簡の中で、ンデリトゥ氏がガザ戦争に関して声明を1度しか発表せず、それも主にイスラエルを支持する内容であったとし、職責を果たしていないと同氏のことを非難した。

人権団体は彼女について、「ジェノサイドの可能性を警告しなかった職務怠慢」で非難するとともに、「ガザ地区でパレスチナ人が受けている持続的な大規模残虐行為に対して、いかなる行動も明らかに欠如していることは、適切な有効性と公平性をもって職責を果たすうえでのこの特別顧問の能力について、重大な懸念を投げかけている」と述べた。

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