


ハーグ:国連の最高裁判所は19日から、イスラエルによる1967年以来のパレスチナ占領の法的影響に関する公聴会を開催し、前代未聞の52カ国が証拠を提出する予定である。
米国、ロシア、中国を含む諸国は、国際司法裁判所(ICJ)の所在地であるハーグの平和宮で1週間にわたって開催されるセッションで裁判官を前に論述する予定だ。
2022年12月、国連総会はICJに対し、「東エルサレムを含むパレスチナ占領地におけるイスラエルの政策と慣行から生じる法的影響」に関する拘束力のない「勧告的意見」を求めた。
ICJのいかなる意見にも拘束力はないが、10月7日のハマスの残忍な攻撃に端を発するガザ戦争をめぐり、イスラエルに対する国際的な法的圧力が高まる中で行われる。
この公聴会は、イスラエルが現在のガザ攻撃中にジェノサイド(大量虐殺)行為を行っていると主張する南アフリカが提訴した注目の裁判とは別のものである。
ICJは1月、同裁判で、イスラエルは大量虐殺を防止し、ガザへの人道援助を許可するために全力を尽くすべきだと裁定したが、停戦を命じるまでには至らなかった。
16日、ICJはイスラエルに追加措置を課すべきとする南アフリカの提案を拒否したが、上記裁定を完全に履行する必要性を改めて強調した。
総会は、ICJに2つの問題を検討するよう要請している。
第一に、国連が「イスラエルによるパレスチナ人の自決権の継続的侵害」と呼ぶものの法的帰結を検討することである。
これは、「1967年以来占領されているパレスチナの長期にわたる占領、入植、併合」と「聖地エルサレムの人口構成、性格、地位の変更を目的とした措置」に関するものである。
1967年6月、イスラエルは6日間戦争(第三次中東戦争)でアラブ近隣諸国数か国を粉砕し、ヨルダンから東エルサレムを含むヨルダン川西岸地区を、シリアからゴラン高原を、エジプトからガザ地区とシナイ半島を奪取した。
その後イスラエルは、7万平方キロメートル(2万7000平方マイル)のアラブ領土を掌握し、入植を開始した。後に国連はパレスチナ占領を違法と宣言した。エジプトは、1979年のイスラエルとの和平協定によりシナイ半島を取り戻した。
ICJはまた、イスラエルが「関連する差別的な法律や措置を採用している」と国連が説明していることの結果についても調べるよう求められている。
第二に、ICJはイスラエルの行動が「占領の法的地位にどのような影響を与えるか」、そして国連や他の国々にどのような影響をもたらすかについて勧告を求められている。
同裁判所は、おそらく年内にも、この件に関して「緊急に」判決を下すだろう。
ICJは国家間の紛争を裁き、その判決には拘束力があるが、執行する手段はほとんどない。
しかし、今回の場合は、ICJが出す意見に拘束力はない。
裁判所自身の言葉を借りれば、 「要請を受けた機関、団体、組織は、出された意見をいかなる手段で実現するか、あるいは実現しないかは自由なままである」。
しかし、ほとんどの勧告的意見は実際に履行されている。
ICJはこれまでにも、2008年のコソボによるセルビアからの独立宣言や、アパルトヘイト下の南アフリカによるナミビア占領の合法性について勧告的意見を出している。
また、2004年には、イスラエルがパレスチナ占領地に建設した壁の一部が違法であり、取り壊すべきだとする意見を出している。
イスラエルは公聴会に参加しておらず、2022年の国連からの要請に対して、ベンヤミン・ネタニヤフ首相は「卑劣」で「不名誉」だと怒りを表明した。
国連決議の翌週、イスラエルはパレスチナ自治政府に対する一連の制裁措置を発表し、決議を推し進めたことへの「代償を払わ」せている。
ヒューマン・ライツ・ウォッチ(HRW)は、勧告的意見には拘束力はないが、「大きな道徳的・法的権威を持ちうる」ものであり、最終的には国際法に明記される可能性があると述べた。
HRWの上級法律顧問であるクライブ・ボールドウィン氏は、公聴会は「イスラエル当局がパレスチナ人に対して行っている、アパルトヘイトや迫害といった人道に対する罪を含む深刻な虐待を露わににすべきだ」と述べた。
AFP