
ガザ:2月20日朝、イスラエル軍がガザ南部ラファのテルアッスルタン地区に投下した出版物は、ハマスが「市民のための人道援助物資を盗んでいる」と地元の人々に伝えている。
アラブニュースのガザ駐在記者が入手したこのアラビア語文書は、「現実」というタイトルで、包囲されたガザの現状について「真実」を伝えると主張している。
この文書は、「テロ組織であるハマスのメンバー」が、民間人向けの人道支援物資を押収し、横流しし、救援物資の倉庫やトラックに近づく者に手あたり次第発砲していると非難している。
総合的食料安全保障レベル分類(IPC)による昨年12月の報告書は、230万人のガザ住民全体が危機的レベルの飢餓に直面しており、飢饉のリスクが日増しに高まっていると警告している。
エジプトから食料、水、医薬品を届けるために少数の援助車列が入るが、国連は、届けられる量は必要量のわずか10%に過ぎないと強調している。
国際的なメディアや人道支援団体の報告によると、援助物資の配給は、軍事作戦、イスラエルが要求する援助物資の検査、通信の遮断、燃料不足によって妨げられている。
イスラエルはガザに入った後、ハマスが援助を横流ししていると繰り返し主張しているが、国連の援助機関はこの主張を否定している、とAPニュースは報じている。
2月17日、バイデン政権のデビッド・サターフィールド中東特使(人道問題担当)は、イスラエルはハマスが国連の援助物資を盗んだり横流ししたりしているという主張の「具体的な証拠」を提示していないと述べた。
20日にラファの住民に投下された新聞は、ガザ地区の生活費が「ここ数週間で記録的な高さに達している」ことを紹介し、あらゆる製品の価格が少なくとも2倍になっていることを伝え、複数の折れ線グラフを使って、必需品の急激な値上がりについて詳しく説明している。
パレスチナ中央統計局によると、昨年11月の食料品価格は9月に比べて急激に上昇し、生鮮野菜は32%、ミネラルウォーターは74%、ジャガイモは30%値上がりした。
ラファに投下された一連の文書の第3弾とされるこの新聞はまた、ハマスの人質となったイスラエル人に関する情報があれば、専用チャンネルに通報するようガザの人々に指示している。
この新聞は、前号が地元の人々に「人命救助に貢献する」よう促して以来、専用コールセンターに届く通報の数は前週に比べて8倍に増えたと主張している。
「多数の善意:専用センターに寄せられた多くの報告」と題された欄のある段落にはこう書かれている。「親愛なる読者へ、あらためて次のメッセージを繰り返す。残酷な戦争に苦しむガザの人々であれ、ハマスのギャングに自宅から誘拐され、安全かつ平和的に家族のもとに戻されるべき人質であれ、あなた方はイスラエルとパレスチナ双方の女性と子ども、高齢者を救うことができる」
昨年10月7日、ハマスの戦闘員はイスラエル南部で奇襲攻撃を行い、1,200人を殺害し、240人以上を人質にとった。報復としてイスラエルはガザ地区で容赦ない空爆作戦を開始し、5ヶ月足らずの間に少なくとも2万9,000人のパレスチナ人を殺害した。
この文書の他のいくつかの欄の中では、ハマスの最高指導者であるイスマイル・ハニヤとハレド・メシャールの両氏が、「最後の血の一滴まで戦う」と誓いながら宴会をしている様子を描いた漫画も掲載されている。また、「腐敗した指導者たちはどこにいるのか?」という横断幕を掲げた人物がテレビ画面に映っている場面もある。
イスラエルによるガザ空爆作戦が始まって以来、イスラエル当局は、空爆を行おうとしている地域から避難するようパレスチナ市民に命じるビラをガザ地区に投下してきた。
しかし、西側メディアの分析によると、イスラエル軍は避難先について矛盾した勧告を行い、イスラエル軍が「安全」と指定したルートや地域でさえ爆撃されていた。
アラブニュースのガザ駐在記者は、開戦以来ガザに投下されたビラには、「避難命令、脅迫、フェイクニュース」が含まれていたと述べた。
彼は、戦争初期には、ガザの人々は命令に従うために急いでビラを集めていたが、今では、「ガザでは紙が不足しているため、ビラを集めてファラフェル(ひよこ豆のコロッケ)を売る容器として使うだけだ」と話した。