エルサレム:イスラエル軍は23日、占領下にあるヨルダン川西岸地区の都市ジェニンで前日の22日に無人機攻撃を実施し、武装して襲撃に向かおうとしていたパレスチナ人戦闘員1人を殺害したと発表した。
イスラエル軍の声明によると、武装組織イスラム聖戦に所属していたヤセル・ハヌン氏は以前、「テロ組織の軍事活動」に関与したとして拘束されたことがあるという。
ジェニン難民キャンプの住人だったハヌン氏は、「別の襲撃に向かう途中で排除された」としたが、詳細は明かされなかった。
目撃者や住民の話によると、22日の空爆では17歳のサイード・ジャラダットさんも死亡したという。
車が空爆された直後、車内に積まれていた武器が爆発したと目撃者は話している。
イスラエル軍によると、ハヌン氏はヨルダン川西岸地区のイスラエル人入植地を狙った複数の銃撃事件だけでなく、兵士や駐屯地に対する銃撃事件などにも関与していたという。
パレスチナ通信社WAFAは、今回の空爆で2人が死亡し、4人が負傷したと伝えている。
撮影された動画には、空爆を受けた車が激しく燃え盛り、缶切りで開けたように屋根が裂けている様子が映っていた。
空爆を目撃したウサイド・シェルビ氏は、「ミサイルが2発連続で車に直撃した」と語った。
「危険な状況だった。車内にあった武器が次々と爆発していた」と同氏は話す。
23日に開かれた男性2人の葬儀には、多数の弔問客が集まった。
「この占領行為は明らかに牙をむいている…パレスチナ人の存在を否定している」 と、パレスチナのマフムード・アッバース大統領が所属するファタハの指導者ジャマル・ハウィール氏は語った。
22日、ヨルダン川西岸地区のユダヤ人入植地近くにある混雑した幹線道路で、3人の武装したパレスチナ人が車に発砲し、イスラエル人の男性1人が死亡、8人が負傷。ジェニンへの無人機攻撃は、その数時間後に行われた。
武装した銃撃犯らは殺害された。
10月7日にガザでイスラエルとハマスの戦闘が勃発して以来、ヨルダン川西岸地区では、この20年間では見られなかった水準まで暴力事件が急増している。
AFP