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二国家解決が平和への唯一の道

エルサレムを二国家共有の首都にできる可能性がある。(Shutterstock)
エルサレムを二国家共有の首都にできる可能性がある。(Shutterstock)
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07 Oct 2021 08:10:50 GMT9
レイ・ハナニア
07 Oct 2021 08:10:50 GMT9

レイ・ハナニア

大多数がユダヤ人メンバーからなる米国議会の連合が、「HR 5344」と呼ばれる法案を提出した。この法案は、二国家解決の実施を求めるとともに、イスラエルと平行してパレスチナ国家の建国も提案するものである。

ミシガン州のアンディ・レヴィン下院議員を第一発起人とするこの法案は、実現に向けて険しい上り坂を歩んでいる。親イスラエル派議員や急進的共和党メンバーの多くが反対しているだけでなく、親パレスチナ活動家の多くも「二国家」という考え方を支持していないからだ。

二国家解決の反対者の大多数は、一国家解決を代替案として採用している。しかし一国家解決をどのように定義するかは、どの側の政治的志向で定義が行われるかによって異なっている。

共和党および親イスラエルの過激主義者は、非ユダヤ人無しの一国家解決を求めている。彼らは現在のあり方のイスラエルを支持している。南アフリカの昔のアパルトヘイト(人種隔離政策)の変種的な制度を課しながら民主主義を名乗る非民主主義国家というイスラエルを。

極左の親パレスチナ活動家や擁護者の多くも一国家解決を採用している。しかし、その定義は異なっている。キリスト教徒、イスラム教徒、ユダヤ教徒が、あらゆる側面で平等であるような一つの国家を建国しようという計画なのだ。

残念ながら、一国家の中でキリスト教徒、イスラム教徒、ユダヤ教徒が平等に扱われているような、現在存在している国を私は存じ上げない。そのような平等は、民主主義のイメージキャラクターである米国社会にさえ存在していない。

米国の政策方針は明確に全ての人々の平等を支持しているが、その実施の失敗によって不平等が起きている。特にイスラム教徒やアラブ人に対する不平等だ。米国はまた、明らかに非ユダヤ人を差別しているイスラエルのマイルドな形式のアパルトヘイトをも支持している。そして市民権のことになると、同盟国であるイスラエルの国際法規則違反を見て見ぬふりするのだ。

これまでのところ、「二国家解決法」と呼ばれるレヴィン氏の法案の共同発起人は29人である。米国下院の総数が435議席であることを考えれば、この連合は小さなものだ。共同発起人として署名しなかった何百人もの下院議員の中には、ラシダ・タリーブ氏、イルハン・オマル氏、ベティ・マッコーラム氏、マリー・ニューマン氏など、議会における親パレスチナ派の代表的な発言者の多くが含まれている。

こうした親パレスチナ派の中には二国家解決を支持する人物もいるが、他の人々は攻撃的にパレスチナ人の権利を主張し、ともかく「二国家」という用語の使用を避けている。

レヴィン氏が先月この法案を提出した理由は非常に明確であり、「二国家解決を実現する必要性は、これまで以上に緊急のものとなっている」と、法案の補足説明で述べている。「今年初頭、我々はイスラエルとガザの紛争を目の当たりにしました。数百人の命が失われ、住まいと暮らしが破壊的な被害を受け、ガザの人道的危機が悪化しました。かつてはユダヤ人とパレスチナ人が平和的に共存するモデルとして称賛されていたイスラエルの町で暴動が発生するのを目の当たりにしました。この全ては、パレスチナ自治区の占領が深刻化していることを背景に発生しました。これはイスラエルと米国双方のユダヤ人コミュニティを引き裂くものです」

「このたびユダヤ暦の新年を迎えました。我々も新たな章を始めなければなりません。ユダヤ人にとっての故郷かつ民主主義国家としてのイスラエルの未来が確かなものとなり、自分たち自身の国家を持つというパレスチナ人の願いが叶えられるような新たな章を。二国家解決をもたらす措置を取らずにそれを支持するというのは、もはや信頼のおける主張ではなくなっています。この法案は、当事者が平和と共存の道を進んでいくことを支援する米国の役割を復興するものです」

二国家解決は、イスラエルとパレスチナ人が譲歩に基づいて和平を実現することを前提にしている。一方、一国家解決は、真に民主的でキリスト教徒もイスラム教徒もユダヤ教徒も、あらゆる人々を平等に扱う国家へとイスラエルは改革可能だ、という信念に基づいている。この単一国家は、1948年当時に分割されたパレスチナの歴史的な土地全てで構成されることとなる。

民主主義に基づいた一国家解決というのは説得力があるように聞こえるかもしれないが、その実現は不可能であるというのが現実である。

レイ・ハナニア

実のところ、民主主義を名乗りながら「ユダヤ人国家」を持つことはできない。さらに言えば、いかなる宗教国家もだ。真の民主主義であるためには(イスラエルはそうではない)、全市民にあらゆるレベルで平等な権利を持たせ、宗教と政治を分離しなければならない。宗教を政治から分離することが米国の民主主義の土台である。この両者が混ざり合うことはない。

民主主義に基づく一国家解決というのは説得力があるように聞こえるかもしれない。しかし、それを実現するのは、未来のいつの日にかということであっても、不可能であるというのが現実だ。イスラエル政府は、かつて南アフリカで定められたアパルトヘイトの変種的制度に基づいている。イスラエルと南アフリカの違いは大きい。アパルトヘイト時代の南アフリカでは黒人が多数派だったが、政府は白人が運営しており、社会のあらゆるレベルで黒人に制限を課していた。イスラエルでは、ユダヤ人が多数派であり、非ユダヤ人は少数派である。イスラエルには非ユダヤ人を差別する法律が65以上もある。

二国家解決がいつの日か奇跡的に実現されたとしても、必ずしもイスラエルのアパルトヘイト政策が変わるとは限らない。では二国家解決の本当のメリットは何だろうか? これにより譲歩を実現しようという雰囲気やコミットメントが作り出される可能性がある。圧力を和らげ、いつの日か真の変化につながっていく可能性がある。

明らかに、二国家を実現する方が一国家を実現するよりも簡単だ。75年以上も続いている紛争の中、しがみつくことができるのは二国家解決の方である。

  • レイ・ハナニア氏は受賞歴のある元シカゴ市庁舎政治記者兼コラムニスト。個人ウェブサイトwww.Hanania.comにて連絡可能。Twitter: @RayHananiaエルサレムを二国家共有の首都にできる可能性がある。(Shutterstock)
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