


ワシントン/カイロ:米軍と英軍は24日、イエメンでフーシ派の標的十か所以上に空爆を行い、同地域の船舶に攻撃を続けるイラン関連組織に対する新たな軍事行動だと述べた。
空爆に参加した国や支援を提供した国による共同声明によると、今回の軍事行動はイエメン国内8カ所にある地下の武器貯蔵施設、ミサイル貯蔵施設、防空システム、レーダー、ヘリコプターなどフーシ派の18拠点を対象に行われた。
だが空爆の数時間後、フーシ派はアデン湾で米国船籍および米国が所有、運営するタンカーMV Torm Thorを標的対象にしたと発表。フーシ派のヤヒヤ・サリー軍事報道官は25日未明のテレビ演説の中で、新たな攻撃を宣言した。
フーシ派が宣言した攻撃と英国海運貿易オペレーション(UKMTO)事務所が25日未明に言及した事件が同一のものかは不明である。UKMTOは、ジブチ港の東70海里(約130km)の地点で発生した事件の報告を受け、当局が現在調査中だと述べた。
米国はフーシ派に対し、ほぼ毎日空爆を行っている。イエメンで最も人口の多い地域を支配するフーシ派は、イスラエルがガザを空爆するなか、船舶を攻撃することでパレスチナ人に連帯を示している。
フーシ派による攻撃が数カ月続き、国際貿易は混乱し、輸送料は高騰している。
ロイド・オースティン米国防長官は、一連の空爆は「親イラン武装組織フーシ派をさらに混乱させ、その軍事力を低下させる」ことを目的としたものであると述べた。
同氏はさらにこう述べた。「中東経済に悪影響を与え、環境破壊を引き起こし、イエメンやその他の国々への人道支援を妨げる違法な攻撃を止めなければ、責任を問われることになると、フーシ派に対して引き続きはっきりと示す」
今週初め、フーシ派は英国所有の貨物船への攻撃と米国の駆逐艦に対するドローン攻撃についての関与を主張した。
スエズ運河は世界の海運の約12%が利用し、貿易にとって極めて重要な近道だが、フーシ派の攻撃によって運航が妨げられており、企業はより時間とコストがかかるアフリカ回りのルートへの変更を余儀なくされている。
フーシ派の軍事行動によって沈んだ船はなく、殺された乗員はいない。だが2月18日に攻撃を受け、乗員が退避した英国登録の貨物船ルビマーの行く末は案じられている。
フーシ派は、イスラエルとハマスの戦争によって荒廃したガザのパレスチナ人を支持するため、イスラエルと関連のある船舶を標的にすると述べている。
フーシ派はこれまでの英米の空爆を受け、米国と英国の資産も正当な標的であると宣言した。
10月7日のハマスによる前例のない攻撃を発端として始まったイスラエルによるガザでの破壊的な軍事行動に対し、中東諸国では怒りが広がり、レバノン、イラク、シリア、イエメンで親イラン組織などの暴力行為が加速している。
ロイター – AFP