
ポート・スーダン:戦禍に見舞われたスーダンで、軍に忠実な当局が西部ダルフール地方への越境支援を阻止し、支援関係者や米国の非難を浴びている。
チャドと国境を接する広大なダルフール地方は、10ヶ月前にスーダン軍と準軍事組織である即応支援部隊(RSF)との戦争が始まって以来、スーダンで最も被害の大きい地域のひとつだ。
RSFは、20年以上前にダルフールで焦土作戦を開始したジャンジャウィード民兵の末裔である。
昨年4月に始まった軍との戦いで、RSFはダルフールの州都5つのうち4つを占領した。
国際移住機関によると、69万4000人以上が国境を越えてチャドに逃れたが、まだ多くの人々がダルフールに閉じ込められており、支援を必要としている。
国連はダルフールでの活動をチャドからの越境支援に限定せざるを得なかったが、先週、国連世界食糧計画(WFP)のスーダン事務所長、エディ・ロウ氏は記者団に対し、「当局がチャドからの越境活動を制限している 」と述べた。
国務省のマシュー・ミラー報道官は23日、米国はスーダン国軍の「チャドからの越境人道支援を禁止するという最近の決定と、スーダン国軍が即応支援部隊(RSF)の支配地域のコミュニティへの支援を妨害しているとの報告を深く懸念している」と述べた。
国軍に忠実なスーダン外務省は、米国政府による「虚偽の告発」に「混乱しており、否定する」と述べた。
スーダン外務省は、チャドとの国境はスーダン人に対する「残虐行為」に使用される武器や装備の「主要な通過点」であると述べた。
国務省のミラー報道官はまた、RSFが「家屋、市場、人道支援倉庫を略奪している」ことに懸念を表明した。
ブリュッセルでは、国連世界食糧計画のロウ氏が、チャドからの「重要なライフラインの運用を継続するため、当局と協力している」と述べた。
これは不可欠なことだと、ある国際支援関係者は25日にダルフールで、自分たちの活動を危険にさらすことのないよう匿名を条件にAFP通信に語った。
「子どもや赤ちゃんがすでに飢えと栄養失調で死んでいます。人体への影響は計り知れず、おそらくきわめて高い死亡率となるでしょう」と同関係者は述べた。
「数百万人の命が危機に瀕しているのですから、最高レベルの外交によって直ちに事態を打開する必要があります」と同関係者は述べ、現地の様子を「内戦、民族間の暴力、国家サービスの崩壊に加えて、差し迫った巨大な食糧安全保障の危機にすでに直面している広大な地域」と表現した。
国連の専門家によれば、すでに何千人もの人々がこの戦争で死亡しており、西ダルフールのエルジェニーナだけでも犠牲者は1万5000人に達する可能性があるという。
米国は両陣営による戦争犯罪を非難しており、さらにRSFは民族浄化と人道に対する罪も犯していると述べた。
AFP