
カイロ:エジプトの首都近郊を流れるナイル川で日雇い労働者を乗せたフェリーが沈没し、乗船していた15人のうち少なくとも10人が死亡したと、関係当局が26日に発表した。
エジプト労働省によると、生存者の5人は病院に搬送され、その後退院した。沈没の原因はまだ分かっていない。
同省は、各遺族に20万エジプトポンド(約6,466ドル)、負傷した5人の各家族に2万エジプトポンド(646ドル)の補償金を支払うと発表した。
乗船していた労働者らは、地元の建設会社に出勤する途中だった。地元メディアによれば、救助隊は数時間かけて遺体の回収作業を行ったという。ダイバーらが遺体の捜索にあたり、ナイル川の土手で村人らがその作業を見守る様子は、地元メディアのソーシャルメディアでライブ配信された。
今回の事故は、大カイロを形成する3県の1つであるギーザ県のモンシャット・エル・カナターの町に近い場所で発生した。
エジプト人の多くは、上エジプトやナイルデルタを中心に船で移動するのが日常となっている。ナイル川でセーリングをするのは、アラブ諸国で最も人口の多い同国ではお気に入りの娯楽ともなっている。
エジプトではフェリー、鉄道、車の事故は珍しくない。整備不良や規制の欠如が主な理由だ。
2022年には、小型トラックがフェリーから滑り落ちてナイル川に落下し、2人が死亡、8人が行方不明になるという事故が発生。2015年にも、ナイル川で客船と平底運搬船が衝突し、35人が死亡するという事故が起きていた。
AP