
国連:パレスチナの国連大使は木曜日、食料援助を奪い合うパレスチナ人に向けてイスラエル軍が発砲したガザ地区での事件を非難するよう国連安保理に嘆願した。
「安全保障理事会は『いい加減にしろ』と言うべきだ」とリヤド・マンスール氏は、アルジェリアの要請を受けて開かれた安保理の非公開会合に先立って記者団に語った。
この会合は、イスラエル軍が混とんとした奪い合いの中でパレスチナ人に向けて発砲した、ガザ地区での朝の出来事について話し合うために開催された。ハマス保健省はこの事件で112人が死亡し、760人が負傷したと発表している。
イスラエルの関係者は、パレスチナ人の群衆が「脅威をもたらした」と考えて部隊が発砲したことを認めた。
イスラエル軍は、数千人の絶望的なガザ住民が38台の援助トラックの車列の周りに「殺到」し、トラックにひかれた人を含む数十人の死傷者が出たと発表した。
「この非道な虐殺は、安全保障理事会が機能不全に陥り拒否権が発動されている限り、パレスチナ人民の命が犠牲になるという事実の証拠だ」とマンスール氏は語った。
イスラエルの最大の同盟国である米国は、15か国からなる安保理の常任理事国5か国のうちの1つとして拒否権を有しており、これまでにその権利を3回発動して、安保理がガザ地区の即時停戦を求めることを阻止してきた。
木曜日の会合でアルジェリアは、事態が「イスラエル軍による発砲によるもの」であるとする「深い懸念」を表明する宣言の草案を提出した。
マンスール氏は会合後、安保理の理事国15か国のうち「14か国がこの草案を支持した」と述べた。
外交筋によると、米国はイスラエルの名指しに反対したものの、話し合いは続けられている。
米国のロバート・ウッド国連代理大使は、「理事国は声明を発表できるかどうか、いくつかの文言を詰めているところだ」と話した。
同代理大使は、「問題は全容がわかっていないことだ」と述べ、「責任をめぐる必要な精査」を反映した文言を望むと付け加えた。
マンスール氏は、その日の早い時間に米国のリンダ・トマス=グリーンフィールド国連大使と会談を行ったと語った。
「私は彼女に、安全保障理事会は今回の殺害を非難する声明を発し、この虐殺の責任者を追及しなければならないと力説した」と同氏は述べた。
そして、安保理に「こうした虐殺が再び起こらないようにする気概と決意があるなら、我々に必要なのは停戦だ」と語った。
国連のアントニオ・グテーレス事務総長は、その日の早い時間に報道官を通じてこの事件を非難するとともに、どのような状況で死者を出し、誰に責任があるのかについて「効果的な独立した調査が必要だ」と述べた。
木曜日の事件によりパレスチナ人の死者数はさらに増加し、ガザ保健省は女性と子どもを中心にその数は3万人を超えたと発表した。
戦争は10月7日にイスラエル南部に対する前例のないハマスの襲撃によって始まった。イスラエルの統計によると、この襲撃で約1,160人が死亡し、そのほとんどが民間人であった。
この武装勢力は人質約250人も連れ去り、このうち130人がガザ地区に残されている。その中にはイスラエル側が死亡したと推定する31人が含まれる。
AFP