
ジュネーブ:援助物資を運ぶためにガザ沖に臨時の港を建設するという米国の計画は、米国がウケを狙った皮肉なものであり、大量の飢餓を回避することはできない、と国連の専門家が金曜日に述べた。
ジョー・バイデン米大統領は木曜日の一般教書演説でこの構想を発表した。その中でバイデン大統領は、イスラエルに対し、封鎖された領土にもっと援助を入れるよう嘆願した。
また、パレスチナの過激派組織ハマスに対するイスラエルの軍事作戦を擁護した。
「一時的な桟橋があれば、ガザに入る人道援助の量を大幅に増やすことができる」とバイデン氏は議会で語った。
しかし、国連食糧問題特別報告者のマイケル・ファクリ氏は、この措置を否定した。
「パレスチナの人々も、人道援助コミュニティも、誰も海上輸送を要求していない」と彼はジュネーブでのブリーフィングで語った。
ガザで戦争が始まって5ヶ月以上が経つが、国連は、陸上で大規模かつ持続的な援助を提供することだけが、膨れ上がる人道的大惨事を沈静化させるのに役立つと繰り返し主張してきた。
海上輸送も、ガザ上空からの支援を増やすことも、「飢餓や飢饉を防ぐことはできない」とファクリ氏は言う。
このような援助物資の輸送方法は、通常、敵地に援助物資を運ぶための最後の手段としてしか使われない、と彼は指摘する。
イスラエルの主要な同盟国がこのような手段に訴えるのは、「暗く皮肉な意味で不合理だ」と彼は言った。
彼は、この動きは「選挙を間近に控えた国内向けのパフォーマンス」である可能性が高いと指摘した。
ファクリ氏は国連人権理事会の委任を受けた独立専門家だが、国連を代表して発言することはない。
彼は、国連が飢餓は “ほぼ避けられない “と警告しているガザで、イスラエルが “飢餓キャンペーン “を展開していると非難した。
「イスラエルがガザのパレスチナ人を意図的に飢餓状態に陥れていると言うのは、今や公然なことだと思う。ガザでは今、すべての人が飢えている」
ガザでの戦争は、ハマスによるイスラエル南部への前代未聞の攻撃(10月7日)の後に始まった。
ハマスが統治するガザの保健省によれば、少なくとも30,878人が死亡し、そのほとんどが女性と子どもだという。
AFP