
ダウド・クッタブ
アンマン:ヨルダンのコロナウイルス感染患者が、隔離病院から逃亡、帰宅したことで、保健安全上の重大な恐怖を引き起こした。
アンマンのプリンスハムザ病院の職員は、殺人ウイルスのまん延を防ぐためのヨルダン保健省の隔離命令に従うことを拒否したヤセル・サウジ氏を見つけ出すことを、治安部隊に要請した。
サウジ氏がCOVID-19感染症に罹患していながら病院から逃亡したとのニュースは15日、ソーシャルメディア上で即座に広まった。
治安部隊はサウジ氏を本人の自宅で発見し、サウジ氏と家政婦をすぐに病院に戻した。
サウジ氏はその後アルマムラカテレビを通じて隔離室から語ったが、彼は逃げ出したのではなく、治療施設が不十分だと思ったので病院から帰ることにしたとのことだ。
「病院に入ったとき、私が会った男性看護師は手袋もマスクも着用しておらず、隔離セクションを見た際に家に帰ろうと決断して、病院に来る前に開始していた自主的隔離を続けるために家に帰ったのです」と彼は続けて語った。
ヨルダン保健省の伝染病部門長、ネイザー・オベイダット博士がアラブニュースに語ったところによると、「本件は単独事例で、標準的なことです。人々が不安を覚え恐怖を感じるだろうことは予想できます、なぜならすべてが新規で予期しないことだからです、特に隔離下で行動が制限されるという考えについて」。
ヨルダンのコロナウイルス部門の報道官であるオベイダット氏は、政府はサウジ氏が病院から逃げた際に氏名を公表する以外に方法はなかったと語った。「彼は既に逃げ出していて、我々は彼と接触する可能性のある人たちに気を付けるように注意を喚起する必要があったのです」
サウジ氏は英国からヨルダンに到着した5日後に体調を崩し、ウイルス検査陽性が判明した。彼はプリンスハムザ病院に入院するよう連絡を受け、病院は彼のために救急車を派遣することを申し出た。しかし彼はそれを断り、病院には自分の車で行くことにした。自宅に戻ることは許されないとサウジ氏に言ったものの、彼が逃げ出すところが映っているビデオカメラの映像がその後確認されたと、病院職員は語った。
ヨルダンの保健局長らは16日、入国するすべての旅行者の隔離を命令し、この発表により死海やアンマンのホテルでは怒りに満ちた状況が展開することとなった。
しかしオベイダット氏は、政府は他に選択肢はなかったと語った。「こうした土壇場で入国する人の多くが、特にヨーロッパからの入国者は、自分でも気づかないうちにウイルスを保有している可能性があることが分かっています。ですから、我々は真夜中に迅速な判断を下さねばならず、空港が閉鎖される前に最後の便で到着する人たちすべてを強制的に隔離する、という決断をしたのです。
「ヨルダンの空港は17日の夜に両方向とも閉鎖されます。帰国するヨルダン人は入国するために、陸路か海港を使わなくてはなりません」